インターネット上のオープンな広告プラットフォームを提供するCriteo(クリテオ、本社:フランス、日本取締役社長:グレース・フロム、以下Criteo)は、目前の大型連休に向け昨年のゴールデンウィーク前後の日本の消費者のオンライン上での旅行・求人、小売における動向を分析した、「2019年度ゴールデンウィークトレンドレポート」を本日公開しました。
この度のレポートでは、旅行、求人、小売業の3つの業界に焦点を当て、2018年1月~5月までのオンライン広告による、ウェブサイトへのトラフィックやコンバージョンの変化から読み取れる、売上や予約などの動向の分析を行っています。
ゴールデンウィーク直前の4週間の動向
例年、ゴールデンウィークシーズンはオンライン広告を取り巻く消費者行動に顕著な変動が見られます。2018年のゴールデンウィーク4週間前(4月1日~4月28日)の状況を同年1月1日~1月31日の平均と比べたところ、旅行関連は、最大23%の売上増を記録。求人においては、求職者が連休前に就職先を決めたいという願望が強く働くためか、求人サービスへの利用登録などのコンバージョン率が14%増加しました。小売業においては、量販店および健康・美容関連で1月平均から62%の売上増加が見られました。
旅行関連の予約はゴールデンウィークの2週間前がピーク
旅行関連は51社のオンライン上でのトラフィックと予約件数を調査しました。2018年1月1日~1月31日平均に比べ、ウェブサイトへのトラフィックと予約件数が最も多くなったのはゴールデンウィークの2週間前でした。ゴールデンウィークに入ると予約の需要は、ひと段落したこともあり、4月単月平均と比べて最大18%下がる日もありました。ウェブサイトに訪問して予約をするというコンバージョン率も最大で33%低下。予約については、ゴールデンウィーク明けは一転して回復し、連休前の水準に戻るという推移が見られました。
<旅行関連オンライン広告の売上指標とトラフィック指標のデイリー推移(2018年4月1日〜5月31日)>
ゴールデンウィークは絶好の転職活動シーズンに
休み前に転職を決めたい人や休暇中に転職を思い立つなど、長期休みの前後は転職活動が活発になる傾向があります。転職エージェント10社のオンライン上のトラフィックと登録件数を調査したところ、ウェブサイトへのトラフィックと転職支援への登録件数は、ゴールデンウィーク前後はいずれも、高い水準で推移したものの、ゴールデンウィーク中は大きく落ち込み、4月平均と比較するとそれぞれ最大で22%、18%の減少を記録する日もありました。一方、ゴールデンウィーク中はウェブサイト来訪者の数こそ減少するものの、それらの来訪者が転職支援サービスへの登録する確率(コンバージョン率)は最大で19%増加するなど、ゴールデンウィーク中の求人広告効果は“量より質”が上回る結果となりました。
<求人オンライン広告の売上指標とトラフィック指標のデイリー推移(2018年4月1日〜5月31日)>
小売業に影響大、消費者の時間とお金の使い方の変化
ファッションなどの小売業58社を対象に、ウェブサイトへのトラフィックと売上、購買に至るコンバージョンの動向を調べました。ゴールデンウィークは、旅行やショッピングなど外出機会が増えるため、普段はオンライン頼みの生活スタイルにも変化が表れます。小売業者も、毎年この時期は、リアル店舗での買い物を楽しむ消費者が増えることに期待を寄せます。2018年のデータにもそれが表れ、同年1月平均に対し、小売業全体においては、ウェブサイトへのトラフィックと売上がやや下回る程度の水準となりました。こうした中で、ゴールデンウィーク中に、大きく伸びたのは、レジャー施設、美術館やコンサートのチケットの購入やレジャー用品、食料品でした。コンパージョンも最大で47%となり、いつもと違う時間とお金の使い方をする消費者の傾向が伺えました。量販店においては、ゴールデンウィーク前後にウェブサイトへのトラフィックと売上が伸び、2週間前にはそれぞれ28%と62%の伸びを記録しました。休み明けも1週間後には17%、48%とゴールデンウィーク前の水準に近づきました。
<小売業オンライン広告の売上指標とトラフィック指標のデイリー推移(2018年4月1日〜5月31日)>
オンライン広告は先手必勝
広告主は、業界全体の流れや消費者動向を見ながら、一歩先回りをしたオンライン広告の展開が求められます。業界によって異なりますが、早ければゴールデンウィークの6週間前に、遅くても2週間前には開始できると望ましいでしょう。また、自社のキャンペーンがシーズンに最適化されているかを確認することも重要で、ゴールデンウィークの1ヶ月前と1週間前には検証しましょう。特にゴールデンウィーク中の消費者は、普段と異なる時間とお金の使い方をする傾向があるため、売れ筋が変わることも考慮すべきポイントです。
今年のゴールデンウィークは、大型連休であるほか、新しい元号「令和」の施行に合わせて、さまざまなキャンペーン展開が予測されます。自社のキャンペーンが埋もれてしまわないよう、先手を打ちつつ、効果検証を定点チェックする際に、当社の「2019年度ゴールデンウィークトレンドレポート」を役立てていただけることを期待しています。