Criteo独自調査「在宅ワークの普及、コマースへの影響は?」

更新日 2022年06月26日

日本でも18%が在宅ワーク継続中

新型コロナウィルス関連の規制や制限の解除・緩和を受け、在宅ワークからオフィスへの回帰が進む一方で、一部では在宅ワークを継続する企業も多く見られます。意図したものではなかったにせよ、コロナ禍で「ネット環境さえあれば毎日オフィスに来る必要なし」ということが実証されてしまった今、「オフィスを縮小して経費削減する」「通勤か在宅か、どちらか働きやすいほうを社員自身が選べるようにする」という傾向も見られ、今後は働き方の選択肢の1つとして、在宅ワークが定着していくものと見られています。

ちなみに、Criteoがおこなった調査では、日本で在宅ワークをしている人の割合は世界平均(約20%)とほぼ同じ約18%。女性よりも男性の在宅ワーク比率が高い国が多い中、日本では在宅ワークをしている人の割合がほぼ同じであることがわかりました。

在宅ワークをしている人の割合

在宅ワークをしている人の男女別の割合

在宅ワーカーは高所得傾向

また、同調査で所得と在宅ワークの関係を調べたところ、世界的な傾向として、男女ともに世帯年収が高い人ほど在宅ワークをしている傾向が高いことがわかりました。この傾向は日本でも同様に見られ、世帯年収500万円以上が「在宅ワーカー」では64%だったのに対し、「非在宅ワーカー」では、57%に留まっています。

在宅ワーカーの方が世帯年収は高い傾向に

また、子どもがいるかどうかを尋ねたところ、在宅ワーカーでは全体の43%が、非在宅ワーカーでは36%が「子どもがいる」と回答。在宅ワーカーのほうが、子どものいる確率が高いことがわかりました。子どもの世話をする時間・子どもと過ごす時間を確保するために、オフィス通勤ではなく在宅ワークを選んでいる人が多いのかもしれません。

在宅ワーカーは子どものいる割合が高い

在宅ワーカーのお買い物事情は?

続いて、在宅ワーカーのお買い物事情を見ていきましょう。在宅ワークが普及し始めたころは、在宅ワークに必要な家具や家電、PC周辺機器の売れ行きが伸びましたが、最近は何を購入している人が多いのでしょうか?同じくCriteoの調査で在宅ワーカーと非在宅ワーカーに、過去30日間で購入したものについて聞いたところ、両者の間で5ポイント以上の差が見られたのが、以下のカテゴリーでした(※数値は随時更新されます)。

増えた在宅時間を快適に過ごすための家電や家具、余暇に楽しむビデオゲームを購入する人が多い一方、洋服や香水を購入した人も、在宅ワーカーの方が多い結果に。少し意外な気もしますが、仕事でPCを開いているときに、ふと目にしたネット広告や記事がきっかけでECサイトを見てしまい、気が付くとポチっと・・・というパターンの人も多いのかもしれません。もしくは、コロナ収束後の外出やおでかけを見込んで購入、在宅ワークを頑張る自分へのご褒美に購入・・・という人もいるのかもしれませんね。

在宅ワーカーは「オンラインで購入→店舗で受け取り」を選ぶ傾向

また、オンラインで購入した商品を受け取る方法にも、在宅ワーカーと非在宅ワーカー間で違いがみられました。オンラインで購入した商品を自宅まで配送してもらったことがある人の割合は在宅ワーカーもそうでない人もほぼ変わらないのに対し、

オンラインで購入して店舗で受け取ったことのある人の割合は在宅ワーカーの方が多いという、意外な結果に。在宅ワーカーは原則として平日の日中も家にいるので、非在宅ワーカーに比べて自宅での宅配便の受け取りがしやすいはずですが、なぜ、わざわざ店舗に取りに行くのでしょうか?理由は人それぞれなので何とも言えませんが、考えられる理由としては「1日中家にいるので、たまには外出したいから、敢えて店舗受け取りにしている」、もしくは「在宅ワーク中、ビデオ会議をしていることが多いので、玄関のチャイムを鳴らされたくない、受け取りの対応ができない」などが挙げられます。

在宅ワーカーはEC購入商品を店頭で受け取る人の割合が高い

このように、在宅ワーカーと非在宅ワーカーの間には、生活スタイルや消費傾向において若干の違いがみられることがわかりました。今後も、コロナの感染状況に関係なく在宅ワークがビジネスパーソンの働き方の選択肢として定着していくであろうことを踏まえると、EC戦略を考える上で、在宅ワーカーを対象としたマーケティングが求められる場面が増えてくることも想定できます。Criteoでは、今後もタイムリーな独自調査を行い、皆様のマーケティングに役立つ調査結果を積極的に発信してまいります。

今回行った調査「WFHはコマースにどのような影響を及ぼしたか?」は、次のリンクからご覧いただけます。日本だけでなくアメリカなど諸外国のデータも確認できますので、ぜひお役立てください。

Criteo「WFHはコマースにどのような影響を及ぼしたか?」
調査期間:2022年1月~3月
調査対象国:オーストラリア、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、日本、スペイン、イギリス、アメリカ