「抵抗なくマスクを外す」は少数派。新年度の消費傾向は?

更新日 2023年03月14日

政府は新型コロナウイルスの感染予防のために、これまで「屋外では原則不要、屋内では原則着用」としていたマスクに関するルールを緩和し、2023年3月13日(月)以降は、「マスク着用は個人の判断を基本とする」方針を打ち出しました。つまり、屋内外を問わず、マスクをつけるかどうかを自分の判断で決められることになったのです。

マスクについては「息苦しい」「メガネが曇る」「クラスメイトや同僚の顔がわからない」など、さまざまな弊害が指摘されてきましたが、いざ「マスクを外しても良い」と言われると、どうすれば良いのか戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。

中でも多いのが、「マスクを外して素顔をさらすのが恥ずかしい」という声。マスク前提で過ごした期間があまりに長かったためか、マスクのない顔を見られることに抵抗感を覚える人も多いようです。

「抵抗なくマスクを外す」は、10%以下

株式会社mitorizが2023年2月に約2,000人を対象に行った調査で、3月13日からマスク着用が個人判断に委ねられることについて、どのように思っているのかを尋ねましたところ、「賛成」が(18.7%)、「どちらかというと賛成」(33.0%)で、賛成派が51.7%と、過半数を超える結果に。しかし、実際に「マスクを外しますか?」と尋ねたところ、「抵抗なくマスクを外す」と回答したのは9.7%と、1割程度にとどまりました。「できれば外したいが周りの様子を伺う」(28.2%)と合わせても、マスクを外すことに前向きな人は4割程度で、6割以上の人が「できれば着用し続けたいが周りの様子を伺う(12.8%)」、「引き続き着用する(49.3%)」と回答しています。

出典 株式会社mitoriz プレスリリース

女性がマスクを着用し続ける理由「感染予防」の次に多いのは?

同じくmitorizの調査で、引き続きマスクの着用を続けようとしている理由を聞いたところ、最も多かったのは男女ともに「感染拡大を防ぐため」でしたが、2位以下の回答には男女で次のような違いが見られました。

〇男性

  • 1位 感染拡大を防ぐため
  • 2位 外していることで他人の反応が気になる
  • 3位 顔の一部になっているのでつけている方が安心するから
  • 4位 身だしなみ(ノーメイク、髭)をごまかせるから
  • 5位 その他

〇女性

  • 1位 感染拡大を防ぐため
  • 2位 身だしなみ(ノーメイク、髭)をごまかせるから
  • 3位 顔の一部になっているのでつけている方が安心するから
  • 4位 外していることで他人の反応が気になる
  • 5位 外した顔を見られるのがいやだから

「マスクで隠れていた部分」に関する消費が拡大

以上の結果から、男性よりも女性の方がマスクを外すことについて抵抗が強く、「顔を隠せること」を理由にマスク着用を続けたいと考えている人が多いことが伺えます。

これは逆にいうと、マスクを外す→身だしなみを整えねばならないという意識の表れであり、実際、マスクの着用が個人判断と発表されて以降、化粧品の売り上げが伸びています。また、歯のホワイトニングや髭脱毛、ほうれい線マッサージなどの需要も伸びているといわれており、さらにはマスク生活で忘れてしまった笑い方をマスターするための「笑顔教室」なる講座も話題を集めています。マスク生活で隠れていた顔の下半分に関する消費が、今後ますます拡大していくものと考えられます。

新年度に向けて買いたい物は?

では、マスクを外して迎える新年度には、どんなことにお金をかけようとしている人が多いのでしょうか。2023年3月にeBayJapan合同会社が発表した「2023年働く女性の消費行動に関する調査」で新年度に向けて新調したいもの・新たに購入したい物について聞いたところ、最も多かったのが「プライベート用の服」。次いで「スキンケア用品」、「コスメ」、仕事用の服」「靴」「バッグ」など、身だしなみやファッションに関する支出が上位を占めており、今年は、数年前のいわゆる「巣ごもり消費」とは全く違う消費傾向が続くことになりそうです。

eBayJapan合同会社プレスリリース