平均支給額は58万円。2022年夏のボーナスは何に使う?

更新日 2022年07月20日

日本生命が今年6月に、全国の男女1万2160人を対象におこなった「夏のボーナス」についてのアンケート結果が発表されました。コロナ禍で迎えた3度目の夏、人々はボーナスをどのように使おうと考えているのでしょうか?アンケート結果をもとにボーナスの使い道や夏休みの過ごし方について、トレンドを読み取っていきましょう。

平均支給額はコロナ前に比べ3万円減

今回の日本生命のアンケート結果によると、今年の夏のボーナスの平均支給額は58万円。昨年に比べると約1.6万円増となりましたが、コロナ禍前の2019年に比べると約3万円少なくなっています。

ボーナスが減ったことであきらめたことや予定について聞いたところ、最も多かったのは「買い物(自分の欲しい物)」で25.7%、次いで「国内旅行」10.6%、「趣味」10.6%、「生活費の補てん」7.9%、と続きました。最も多かった「買い物(自分の欲しい物)」をあきらめた人の割合は昨年(14.1%)に比べて10ポイント以上増加しています。

ボーナスの使い道、最多は「生活費の補てん」

続いて、貯蓄・資産形成以外のボーナスの使い道について聞いたところ、2020年度から3年連続で「生活費の補てん」が第1位に。割合を比べると昨年度の26.2%から19.7%へ減少しました。2019年度から順位が落ちていた「国内旅行」は今年度第2位となり、割合を比べると昨年度の8.0%から16.0%へ増加、旅行意欲が再び高まってきていることが伺える結果となりました。

「支出が増えた」と感じている人が倍増

次に世帯支出の変化について聞いたところ、昨年度に比べて「増えた」と答えた人が全体の35.3%に上りました。昨年度は「増えた」と回答した人が17.8%だったので、倍近く増えたことになります。

では、具体的に何のための支出が増えたのでしょうか?

調査結果によると、昨年度と比べて増えたと感じている支出の項目は以下の通りです。

ロシアによるウクライナ侵攻や異常気象の影響で、小麦を始め様々な作物の価格が高騰、日本でもあらゆる食品の値上げが相次いでおり、結果として食費の支出増加を実感している人が多いようです。また、長引く原油高の影響で電気代・ガス代の値上げが相次ぎ、光熱費の高騰が家計を圧迫していることも伺えます。

逆に昨年度に比べて減った支出について聞いたところ、「レジャー費」と答えた人が全体の30.5%に上り、政府による行動制限が解除されてもなお、レジャーを控える人が多いことが伺える結果となりました。

今年の夏休みも、「自宅・自宅周辺で過ごす」が最多

続いて、今年の夏休みの過ごし方についての調査結果を見ていきましょう。今年も昨年に引き続き、最も多かった回答は「自宅・自宅周辺で過ごす」でした。

注目すべきは、「国内旅行(宿泊あり)」が昨年の5.8%から14.2%へ大幅に増えていること。この点について、調査を行ったニッセイ基礎研究所では「コロナを警戒しつつも社会経済活動の再開を進めるwithコロナの流れが広がりつつあるのかもしれません。今後も一定の新規感染者が見込まれます。しかし、緊急事態宣言などの行動制限や米国の急速な景気後退などの景気の押し下げ要因がなければ、これまで積み上がってきた貯蓄の取り崩しによる『リベンジ消費』が期待できるのではないでしょうか」と、分析しています。

しかし、本調査結果発表後の7月初旬以降、日本ではコロナの新規感染者数が再び急増、政府による旅行・レジャーの需要喚起策も先送りされることが報じられました。コロナ禍で迎える3回目の夏も、「思い切り夏を楽しみたい」という気持ちと、コロナへの警戒感が入り混じったwithコロナの夏となりそうです。