新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響もあり、世界中で動画配信の視聴を楽しむ人が増えています。
Criteoではこのほど、全世界の9,000人(うち1,000人が日本人)を対象に動画配信の視聴や動画広告に関する大規模なアンケート調査を行いました。今回のブログではその概要をお伝えします。
※リポートの全文は文末のURLからダウンロードできます。
1.動画ストリーミング視聴の増加
~視聴に使用するデバイス:アメリカは「スマートTV」が最多。日本は?
新型コロナウイルス感染拡大を機に、動画配信サービスを利用し始める人が急増しています。今回の調査で「コロナ前にくらべて有料動画配信サービスに費やす時間が増えましたか?」と聞いたところ、アメリカでは63%が、日本でも66%が「増えた」と回答しています。無料動画配信サービスの視聴についてもアメリカで35%が、日本では61%が「増えた」と回答しました。
動画を視聴する人が増えた背景にあるのは、コロナ禍だけではありません。同調査で動画の視聴時間が増えた理由について聞いたところ、アメリカでもっとも多く挙げられた理由は「コロナによる外出自粛で家にいる時間が増えたから」でしたが、日本でもっとも多かったのは「無料コンテンツが充実しているから」でした。無料コンテンツが豊富にラインアップされ、時間や場所を問わず視聴できるようになっていることが、動画視聴人気を加速していることがわかります。
また、どのデバイスで動画を視聴しているのかを聞いたところ、アメリカでは「スマートTV」が最も多く、全体の78%を占めたのに対し、日本で最も多かったのは「ノート/デスクトップTV」(63%)でした。また、日米ともにスマートフォンで動画を視聴している人も多く、アメリカでは全体の53%が、日本でも46%が動画をスマートフォンで視聴していると回答。世代別に見るとZ世代(1996年~2003年生まれ)のモバイル利用率が高く、アメリカではZ世代の71%、日本でも61%がスマートフォンで動画を視聴していることがわかりました。
2.動画配信視聴者の傾向
~最も利用されているサービス:アメリカはNetflix、日本は?
続いて、動画配信を視聴している人が、どのような意識を持っているのかを見ていきましょう。
まず、ケーブルテレビや衛星放送に比べて、動画配信サービスの方がエンターテイメント性に優れているかどうかを聞いたところ、アメリカでは64%が、日本では57%が「優れている」と回答しました。また、コストパフォーマンスについても、アメリカでは69%、日本では63%が動画配信サービスの方が優れていると回答しました。
では、利用する動画配信サービスを選ぶ際には、何を重視しているのでしょうか?
アメリカでもっとも多かった回答は「サブスクリプションの料金」(61%)、続いて「高品質なコンテンツ」(54%)、「いつでもサブスクリプションを解約できること」(46%)だったのに対し、日本は「高品質なコンテンツ」(49%)、「無料コンテンツの有無」(45%)、「サブスクリプションの料金」(44%)が上位3位を占めました。日米ともに配信にかかる費用には結構シビアで、特に日本では無料コンテンツが充実しているサービスが選ばれるケースが多いようです。
また、今回の調査では配信されるコンテンツの種類によって、視聴者のコスト意識が異なることが明らかになりました。日米ともに「ライブ配信」には無料であることを求める人が多い一方で、「映画」にはアメリカで43%が、日本でも39%が有料サービスを使って視聴していると回答しています。
では、実際に選ばれているのは、どの動画配信サービスなのでしょうか?日米のトップ3をみていきましょう。
アメリカ
- 1位 Netflix
- 2位 Hulu
- 3位 YouTube
日本
- 1位 You Tube
- 2位 Amazon Prime動画
- 3位 ニコニコ動画
アメリカで1位だったNetflixは日本でも4位にランクイン。日本でも2020年に有料会員数が500万人を突破、日本発のコンテンツの拡充も進んでいることから、今後、さらに利用者数が増えていくものとみられています。
次に、有料動画配信サービスにかけている費用について聞いたところ、アメリカでは「50ドル以下/月」が65%を占め、うち10%は「ゼロ」でした。一方の日本では「2500円以下/月」が79%にのぼり、そのうち実に35%が「ゼロ」という結果に。アメリカに比べると日本では、動画配信にお金をかける人が少ないことが見て取れます。
3.動画広告の嗜好傾向
~日米ともに「最も好感の持てるオンライン広告」は「動画広告」
続いて、動画広告について視聴者がどのような意識を持っているのかについて、見ていきましょう。
Criteoの調査で、「最も好感の持てるオンライン広告は?」と聞いたところ、日米ともに最も支持を集めたのが「動画広告」でした。さらに細かく見ていくと、動画広告の中でも「コンテンツ視聴の後に表示される動画広告」を好む人が日米ともに最も多く、「コンテンツの視聴途中に表示される動画広告」を好む人は少ないことがわかりました。
また、動画広告を好む理由について聞いたところ、回答には日米で次のような違いがみられました。日本人は動画広告にストーリー性を求める傾向が強いことがわかります。
アメリカ
- 1位 動画広告の方がエンターテイメント性が高い
- 2位 動画広告の方が魅力的である
- 3位 動画広告には音楽や音声がある
日本
- 1位 動画広告にはストーリー性がある
- 2位 動画広告の方がエンターテイメント性が高い
- 3位 動画広告には音楽や音声がある
とはいえ、動画の視聴前や途中に広告が配信され、イラっとした経験をしたことのある人も多いはず。しかし、今回の調査で、アメリカでは5人のうち3人が、日本では3人に2人は節約のために「広告アリで無料」の視聴を選んでいることがわかりました。日本では若い世代ほど、この傾向が高く、Z世代の54%が「広告アリで無料」を選択しています。
そして、動画広告の効果の高さがわかるデータも明らかになりました。「動画広告を視聴したあとに取る行動」について聞いたところ、アメリカでは56%が「広告で表示された商品やサービスについて検索した」と回答、52%が「広告主のウェブサイトを訪問」し、実際に購入した経験がある人が45%に上っています。日本でも「広告で表示された商品やサービスについて検索した」との回答が50%、広告主のウェブサイトを訪問したことがある人や購入した経験がある人は、それぞれ38%、39%に上りました。
このように、今回のCriteoの調査では動画配信や動画広告について、実に興味深く示唆に富んだ結果が得られました。Criteoでは、これらの結果を分析し、実際の動画広告戦略に役立てるためのヒントをリポートとしてまとめました。調査結果の詳細と動画広告戦略策定に役立つヒントを知りたい方は、ぜひ以下のURLからリポートをダウンロードしてご確認ください。
https://go.criteo.com/jp/the-state-of-video-connected-tv-jp/