早いものでもう6月に入り、夏休みの計画を立てている人も多いのではないでしょうか?今年はコロナがインフルエンザと同じ第5類感染症に移行して初めての夏休み。久しぶりに家族や友人に会いに出かけたり、海外への旅を計画している人もいるでしょう。久しぶりに旅行を楽しめるようになった人々の旅行への意識や実際の行動には、どんな変化が見られるのかを探るべく、criteoではこのほど世界の約1万7,000人を対象に旅行トレンド調査を実施しました。今回のブログではその概要をかいつまんでご紹介します。
6割以上が「半年以内に個人旅行に行く予定」と回答。でも・・・?
今回の調査で「次の旅行にはいく予定ですか?」と聞いたところ、60%の人が「6か月以内に行く」と回答。「1年以内に行く」と回答した人は9%に。コロナ禍で控えていた旅行を再開させようとしている人が多いことがわかります。
では、旅行を再開させようとしている人たちは、何を目的としているのでしょうか。アンケートの結果、最も多かったのは「リラクゼーション」で54%、次いで「文化活動」(イベント、コンサート、ガイドツアー、テーマパーク訪問)52%、「家族・友人を訪問する」47%、アウトドアスポーツ(スキー、自転車など)23%と続きました。地域別にみると「リラクゼーション」を最も強く求めているのはAPACで全体の69%。ヨーロッパでもっとも多かったのは「文化活動」54%、米国では「家族・友人を訪問する」で60%でした。
旅行の移動手段として、記録的な回復を見せたのは航空機です。2023年1月の航空券予約は、世界的に前年同期比で驚異的な伸びを示しました。特にAPACの予約は22年1月の3.5倍以上、米国とEMEAは前年同期比で約2倍と急増しています。ただし、この時点では海外旅行の需要回復は限定的で、AAPCでは海外旅行の予約は28%増、米国14%増。EMEAでは+1%にとどまっています。世界的な傾向としては「海外旅行の前にまずは国内旅行に行こう」という人が多く、APACでは88%、米国では80%、ヨーロッパでは64%が旅行先を「国内」と回答しています。
このように旅行需要は明らかに回復しつつあるものの、人々のコロナへの警戒感がなくなったわけではありません。全体の44%が「旅行中にコロナに感染する不安がある」と回答。この傾向は特に米国で強く、約59%が「不安がある」と回答しました。そして、コロナ禍で好評だったサービス=「キャンセル料無料」や「返金が受けられやすいサービス」、「コロナ対策」を重視する傾向も継続しています。
さらに、最近のトレンドとして注目すべきは、環境への配慮を重視する旅行者が増えていること。「飛行機やレンタカーを検索する際に、『低排出ガス』などでフィルタリングし、持続可能な旅を予約することを重視している」と回答した人は、全体の37%に。この傾向はヨーロッパで特に顕著で全体の42%に上っています。
慎重な姿勢を崩さなかった日本人。気になる今後は?
世界中で旅行需要が回復する中、意外にも慎重な姿勢を崩さなかったのが日本人です。調査を行った2023年2月の時点では、まだコロナによる影響がどの程度続くのか先行きが不透明だったため、6か月以内に旅行に行く予定と答えた人は38%にとどまっていました(世界平均は60%)。しかし、5月になってコロナが第5類に移行したことや、一足先に行動制限が緩和された海外から大勢の旅行者が訪れているのを目の当たりにしていることから、今後は日本でも旅行需要が大きく回復するものとみられています。まだコロナの影響が色濃かった昨年(2022年)ですら、GW~夏休みにかけて旅行需要の伸びが見られたことを考えると、今年はさらに多くの人が夏休みの旅行を計画、国内旅行・海外旅行ともに大きく回復することが期待されます。
航空券はモバイル、ホテルはPCで予約
日本の旅行者の傾向で興味深いのは、目的別で予約するデバイスを使い分けていること。航空券に関しては71%がモバイルで予約しているのに対し、ホテル・リゾートでは70%がデスクトップで予約しています。価格重視の航空券は手軽なモバイルで予約、価格だけでなく部屋や施設の充実を確認したいホテルやリゾートは写真などがしっかり見られるデスクトップで比較検討・購入しているものと思われます。
ちなみに、ホテルやリゾートを最初に検索してから実際に予約するまでに要する日数にも、デスクトップとモバイルで差が見られました。ホテル・リゾートの最初の検索から予約完了までにかかる平均時間は、デスクトップの方がモバイルよりも約3日短くなっています。この傾向は世界で共通して見られました。移動の合間などに見るモバイルよりも、腰を据えて向き合うデスクトップの方がホテルやリゾートの詳細を集中して確認しやすいため、意思決定も早くできるのかもしれません。ただし、予約完了までの時間が短い上位25%に関しては、デスクトップが平均20.4分、モバイルが平均15.4分と、モバイルの方がすばやく予約まで至っていることがわかります。
このほかリポートには日本および世界の各地域の旅行トレンドについて示唆に富むデータを多彩に掲載しています。ぜひ、以下からダウンロードの上、御社のマーケティング戦略にお役立てください。