不確実な経済情勢や消費者ニーズの移り変わりに直面して、旅行業界は今、進化のときを迎えています。 厳しい情勢だからといって、人々は旅行を控えているわけではありません。お金の使い方に賢くなっているのです。 Criteo の調査結果をまとめた「賢くショッピングする消費者たち」では、世界中の1万2,400人の消費者の半数以上がインフレによる物価高にもかかわらず、これまで同様、あるいはそれ以上に旅行にお金をかけていることが明らかになっています。
年初から2023年の新たな旅行計画を立てている人も多く、第1四半期は旅行業界のこの一年を占う基調となる時期です。 Criteo はこのほど、世界の旅行業界の現状を把握すべく、2,000社以上の旅行業者に関するデータセットと、世界中の1万人を超える旅行者を対象にしたアンケートから、最新の動向を分析しました。 そこで本ブログでは、マーケターが2023年に旅行業界で起こり得ることに向けて効果的に準備できるよう、第1四半期の旅行トレンドを検討していきたいと思います。
本ブログでは、2023年に旅行業界で起こり得ることに向けて効果的に準備できるよう、第1四半期の旅行トレンドを解説します。
費用の上昇にもかかわらず、消費者は旅行を計画しています。 パンデミックが始まって以来、総合的な旅行予約数(航空券、レンタルカー、クルーズ、ホテル&リゾートの予約)は毎年安定して堅調に増加しています。
出典:すべての旅行カテゴリーの予約数指標、2019年1月(コロナ禍前の基準)との比較。 一定のオンライン予約数が発生する旅行業者の同じグループを対象に2019年から追跡。
2023年1月、南北アメリカ地域では、クルーズ(+283%)、航空券(+116%)、ホテル&リゾート(+61%)の予約数はすべて昨年の数値を上回りました。 ホテル&リゾートの予約数は、メキシコで57%、米国で50%、ブラジルで23%、前年比で増加しています。
APACの2023年1月では、航空券の予約数が前年比で271%、ホテル&リゾートも前年比で66%の増加を記録しました。 オーストラリア(+272%)、韓国(+131%)、日本(+118%)では、ホテル&リゾートの予約数が前年比で特に大幅に増加しています。
ヨーロッパ・中東・アフリカ地域の2023年1月の予約数は、クルーズ(+295%)が航空券(+81%)およびホテル&リゾート以上に前年比で急増しています。 航空券の予約数の増加は国別に見るとより顕著で、前年比でスペインは216%増、イタリアは139%増となっています。
コロナ禍によって登場した新たなスタイルや選択肢が定着
この第1四半期の旅行予約数はさらに増加していますが、Criteoの消費者調査では、全世界の旅行者の44%が今なお新型コロナウイルスへの懸念を抱いていることも分かっています。
出典:Criteo調査-消費者の旅行嗜好(調査期間:2023年2月13日~23日、対象:全世界、回答者数:1万738人)
パンデミックによって顧客体験の新たなスタンダードが確立されました。そして、もはや以前の状態に戻ることはなさそうです。 消費者は、新型コロナウイルスの感染対策を維持することに加え、必要に応じて柔軟に計画を変更できることを求めています。 世界の59%の旅行者は、利用する旅行会社を決める際にキャンセル料が無料であることを重視しています。加えて、42%はシンプルな返金手続きの有無を判断材料のひとつとしています。
また、最安値を検索しながら賢く旅行を予約する方法も模索されています。 世界の半数以上の旅行者にとってスペシャルオファーが決め手のひとつとなるし、5人に1人がロイヤルティプログラムの有無や加入をを検討しています。
出典:Criteo調査 – 消費者の旅行嗜好(対象期間:2023年2月13日~23日、対象:米国1,140人、ヨーロッパ 6,289人、APAC 3,309人)
パーソナライズされたシームレスな体験がカギ
消費者が期待しているのは、何よりもパーソナライズされたコンテンツ体験です。 世界の旅行者の約40%は、要望に合わせて旅行に関するパーソナライズされたコンテンツを受け取るためなら、使用するアプリが個人情報を収集しても構わないと考えています。
オーダーメードのシームレスな旅行体験への関心も高まっています。 2023年1月、世界のパッケージ旅行/ツアーカテゴリーのコンバージョン率は、2022年1月と比べて96%増加しました。 このコンバージョン率は、新型コロナウイルスによるロックダウン前の2020年1月と比較しても105%高くなっています。
地球環境に配慮した旅行オプションを望む消費者
旅行者は環境保護にますます配慮するようになっています。 世界の旅行者の約4割が、旅行の際のCO2排出量を削減したいと考えており、予約時には「低排出/低公害」などのフィルターを使って検索をしています。
特にヨーロッパの消費者は、旅行に関する決定をする際には、地球環境に配慮した選択肢を選びたいという意向が高い傾向がありました。 45%のヨーロッパの旅行者が、旅行によるCO2排出量を削減したいと考えており、42%がサステナビリティの基準に沿った予約オプションの検索条件を設定しています。これは、世界平均を上回る数値です。
出典:Criteo調査– 消費者の旅行嗜好(大正期か:2023年2月13日~23日、対象全世界、回答者数:1万738人)
ウェルネスを最優先
第1四半期、世界の旅行者は次の旅行でのさまざまなアクティビティを計画しています。中でも一番人気はリラクゼーションで、 世界の旅行者の約半数が、次の旅行でヨガや温泉、瞑想などのアクティビティを検討しています。 APACの旅行者はリラクゼーションへの関心が最も高く、全世界の旅行者より13%高い数値となっています。
米国とヨーロッパの旅行者の間では、ウェルネスアクティビティの形が異なります。 米国の旅行者の60%は家族/友人を訪問して親しい人と再会したいと考えており、欧州の旅行者の54%は文化的なアクティビティを体験したいと考えています。
出典:Criteo調査– 消費者の旅行嗜好(対象期間:2023年2月13日~23日、対象:米国 1,140人、ヨーロッパ 6,289人、APAC 3,309人)
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旅行者の期待値は、これまでになく上がっています。 パーソナライズされたコンテンツをはじめ、サステナビリティに関するオプションが選べること、そして柔軟なキャンセルポリシーまで、旅行サービスを提供する事業者は、消費者中心の「いつでもショッピングできる瞬間を生み出せる」体験を提供していくことが重要です。
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