進むショッピングのオムニチャネル化
コロナ禍を機に、成長が加速しているEC市場。その勢いは収まることを知らず、富士経済の試算では2022年の日本国内のEC通販市場の規模は約13兆5927億円に達するものとみられています。コロナウイルスへの感染を避けるために初めてECを使い始めた人が、その便利さに魅了され、外出自粛要請が解除された後も使い続けていることを示す調査結果もあり、その傾向はコロナ禍収束後も続くものと見られています。
とはいえ、実店舗の存在価値がなくなったわけではありません。Criteoが行った調査「Criteoショッパーストーリー2022」でも、世代を問わず買い物客の大多数がオムニショッパー化している、つまりECや実店舗など複数のチャネルで買い物をしていることが明らかになっています。特に若いZ世代やミレニアル世代でその傾向が高く、「オンラインで商品を閲覧してから、小売店舗でその商品を購入する」と回答した人は全体の63%、「小売店舗で商品の実物を見てからECで購入する」が72%、「商品をオンラインで注文し、小売店舗で受け取る」と回答した人も39%いました。
自宅に居ながらにして欲しいものを手に入れられるオンラインショッピングは確かに便利なものですが、実店舗で実際に商品を手に取ったり試したりしてから購入したいというニーズは根強く、実店舗は幅広い世代に支持されているのです。また、コロナ禍を経て「実店舗で買い物する楽しさ」を再認識した人も多いのではないでしょうか。
O2Oのメリットとは?
コロナ禍を経て改めて実店舗の役割が見直される中、オンラインでの施策で実店舗への来訪を促すマーケティング施策「O2O」が、改めて注目を集めています。
O2Oとは、Online to Offlineの略語で、オンラインで広く商品やサービス、店舗についての情報発信をして、見込み客をオフライン、つまり実店舗に集客、購入を促すマーケティング手法の1つです。具体的な施策としては、SNSで実店舗で使えるクーポンを配布する、アプリに実店舗を訪問するとポイントがたまるプログラムを搭載する、ECショップとオンラインのポイントプログラムを統一する、BOPIS(オンラインで買った商品を実店舗で受け取るサービス)といった手法が知られています。
O2Oには、主に次のようなメリットがあります。
顧客管理がしやすい
実店舗では、これまで紙のクーポンやポイントカードを発行するのが一般的でした。これをデジタルに移行することで、印刷コストを抑えることができるようになりました。さらにクーポンの利用率や利用者の特性などをデータで分析することも可能に。ターゲットごとにクーポンや特典の内容を変えるなど、より細かくパーソナライズされた情報を配信できるようになりました。
新規顧客獲得に有効
チラシやフリーペーパー、看板などによる集客施策の場合、どうしても地域が限定されてしまいます。その点、オンラインで広告を配信すれば、より広い地域の人に向かって情報を発信でき、これまで実店舗の存在を知らなかった人にも来店を促すことができます。
広告の修正がしやすい
チラシやポスター、看板などの媒体は、内容を変える度に印刷・制作し直す必要があり、コストや手間がかかります。その点、デジタル広告は変更が容易なので、季節やイベントに応じて、適切なタイミングで適切な内容の広告やクーポンを消費者に届けることができます。
効果が把握しやすい
チラシや紙の広告は、実際に何人の目に触れたのかを計測できないため、その効果を把握しづらいのが実情です。その点、オンラインでの施策はクリック率やリーチ率、コンバージョン率などを計測できるため、その広告効果が図りやすいというメリットもあります。また、SNSに投稿すれば「いいね」の数やコメントなどから、顧客の反応の良し悪しを読み取ることができ、次なるマーケティング施策に役立てることもできます。
顧客ロイヤルティを醸成しやすい
実店舗とオンラインの両方から顧客にアプローチすることで、顧客との接点を維持し、ロイヤルティを高めやすくなります。実店舗でのイベントやセミナーが受けられる特典を用意するなどして、実店舗の魅力を知ってもらう企画を実施するのも有効です。
このようにメリットの多いO2Oですが、ただやみくもにオンラインで情報を発信すれば良いというものではありません。たとえお得なクーポンやキャンペーンを用意しても、それが適切なタイミングで適切なオーディエンスに配信されない限り、実店舗への集客には繋がりません。的確なターゲティングと魅力的なクリエイティブを誇るCriteoのソリューションを活用して、実店舗の魅力が見直されている今だからこそ、実店舗とECの両チャネルを持つ強みを最大限に活かして、ビジネスの成功に繋げましょう。
Criteoによる新規顧客獲得ソリューションについては、こちらでご確認ください。