オープンウェブにおけるリテールメディアの台頭

更新日 2024年07月31日

インターネット界の「ビッグ4」 – Google、Amazon、Facebook、そしてApple – は、ほとんどのブランドや広告主、代理店にとってデジタル広告の代名詞となってきました。あたかも、GAFAなしにデジタル広告は成立せず、デジタル広告なしにGAFAは存在しないかのごとく、です。

しかしいわゆる「ウォールドガーデン」のコストは上昇しつつあります。Criteoの最新調査レポート「Future of Commerce – The Rise of Retail Media on the Open Web(2022年4月)」によると、英国のメディア代理店の上級職は、直近のわずか1年で、ウォールドガーデンを通じた売上獲得単価が27%も上昇したと報告しています1

メディア代理店の専門家も、彼らの取引先に当たるマーケターたちも、ウォールドガーデンのようなプラットフォーム上のオーディエンスを理解することが難しくなっていることを認めています。複雑化・厳格化するプライバシー保護への取り組みと、アドレッサブルな広告の将来に関する課題が組み合わさることで、この問題はさらに深刻なものとなっています。

このような状況下で、マーケターは何ができるでしょう?

最も一般的な解決策は、支出を増やすことです。FacebookやAppleのような「ウォールドガーデン」への投資は前年比29%増となっていますが、リターンが少ないチャンネルへの投資を増やすことは、長期的な解決策にはなりえません。そこで注目を集めているのがリテールメディアです。リテールメディアは、ウォールドガーデンにかわるより現実的な選択肢として登場して以来、企業のデジタル戦略にとって不可欠な要素になりつつあります。

「壁」の向こう側へ

リテールメディアの利点のひとつに、商品販売のポイントに於いて、陳列されている商品と同列に商品広告を表示させられることが挙げられます。前出の調査では、この利点をウォールドガーデンのキャンペーンに対する明確なアドバンテージだとの回答が半数以上に上りました。また同様に「より精緻なオーディエンス・ターゲティング(51%)」、「実際の購買との関連性の高さ(58%)」、さらに「売上の増加(53%)」も、ウォールドガーデンでのキャンペーンに対してリテールメディアが勝る点だと回答しました。

リテールメディアのこうした成果は、ファーストパーティ・データを使用して関連性の高い広告を配信できることに起因しています。リテーラーのファーストパーティ・データから得られるオーディエンスのインサイトを活用することで、即座に広告キャンペーンの規模を拡大したり、「インマーケット」な新規顧客を特定することができます。リテーラーのサイト上で広告キャンペーンを展開することは、リテーラーが長きにわたって築き上げてきた、信頼背の高いドメインで配信ができるため、ブランドセーフティの観点からもメリットがあります。

さらに、Boots、Asos、AOといったリテーラーの広告ビジネスが好調なことは、広告とポジティブな顧客体験が決して相反するものではないことを証明しています。より多くのブランドが消費者の目に留まるために投資すれば、リテーラーはより多くの広告コンテンツを提供することができます。関連性の高い商品を表示することは、ひいては買い物客の体験を向上させることにもつながるのです。

加速するリテールメディア 

Eコマースの台頭と広告業界の大きな変革の中で、マーケターはファーストパーティ・オーディエンスを構築・拡大・活用に関する支援を求めています。メディアオーナーは広告在庫の付加価値を高め、アドレッサビリティを確保する方法を模索しています。

一年前と比較してより多くの予算が割り当てられていることが示すように、リテールメディアは将来性と確実性の高い新たなデジタル広告の手法です。前述の調査では、代理店の回答者の約半数が、成熟した広告環境を提供しているリテーラーが少なすぎると回答しています。つまり現状では需要が供給を上回っている状態で、近い将来この課題が解決されれば、さらにこの分野への投資を増やす可能性が高いのです。

Criteo は複数の業界をリードするパートナーと共に、10年以上前からリテールメディア・プラットフォームの構築とソリューションの提供を行ってきました。世界最大規模のショッパーグラフ(コマースに関するデータセット)と最先端のAIを活用したCriteo のリテールメディア・プラットフォームについて詳しくはこちらをご覧ください。

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1‘出展:Future of Commerce – The Rise of Retail Media on the Open Web by Criteo, February 2022.