2022年1月から実施されていた「まん延防止等重点措置」が、3月21日をもって全ての都道府県で解除されました。
折しも春の行楽シーズンまっさかり。長引くコロナ禍で控えていた旅行やお出かけを再開したいという人も増えているのではないでしょうか?
Criteoのダッシュボードを見てもわかるとおり、2021年は2020年に比べて旅行のオンラインでの予約件数は回復傾向にありました。このまま新型コロナウイルスの再拡大がなければ、今回のまん延防止等重点措置解除を機に、急速に需要が回復していくかもしれません。
Criteoダッシュボード(Daily Bookings since December2019,Compared to December 1-7 2019)
約9割が卒業旅行に「行く予定・行きたい」と回答
旅行への抵抗感が低くなっているのを背景に、今年は卒業旅行に行く大学生も増えています。楽天LIFULL STAYが2022年に大学を卒業する男女1,000人を対象におこなったアンケートによると、卒業旅行の「予定が決まっている」と回答した人は全体の40.9%、「行きたいが予定は決まっていない」は48.4%となり、合わせて89.3%が卒業旅行に行く意向を持っていることがわかりました。大学生活の半分がコロナ禍で、対面授業やサークル活動が制限された今年度の卒業生、せめて社会に出る前の卒業旅行くらいは楽しみたいという人が多いのかもしれません。
なお、同調査で卒業旅行でどこに行きたいかを聞いたところ、1位が北海道(15.2%)、2位が沖縄県(10.9%)、3位が福岡県(8.8%)という結果に。さらに卒業旅行でやりたいことを複数回答可で聞いたところ、71.2%が「観光地を巡る」、次いで58.6%が「グルメを楽しむ」、50.7%が「温泉やスパでリラックスする」と回答。コロナ前のように気軽に海外旅行に行けない分、国内でもリゾート気分が楽しめる北海道や沖縄を選ぶ人が多いようです。
とはいえ、まだコロナ禍が収束していない中、大学生も無防備ではありません。同調査で、宿選びにおいて重視することについて聞いたところ、「ほかの宿泊者との接触をおさえられる」が60.0%、「宿泊施設内の除菌清掃」が59.4%、次いで「宿泊者に対して、検温や手指消毒の喚起をしていること」が42.8%という結果に。若者世代にも、コロナ対策の有無を重視する姿勢がすっかり浸透していることがよくわかる結果となりました。
withコロナ時代の旅行、衛生管理は大前提? 「密」を回避できるスポットや日程も重視
コロナ禍を経て、旅への意識が変わったのは若者だけではありません。大手旅行代理店・阪急交通社がおこなった調査で、コロナ禍において旅行をする際に選ぶ可能性があるものについて聞いたところ、次のような結果となりました。
- 衛生管理がしっかりできている宿を選ぶ 44.4%
- 部屋食や個室での食事ができる宿を選ぶ 41.9%
- 混んでいない観光スポットを選ぶ 31.2%
- 平日や閑散期を選ぶ 30.0%
- コロナ禍では旅行しない 24.5%
- 近場の観光スポットを選ぶ 19.5%
- 席の間隔を広くとっている交通手段を選ぶ 17.9%
- 無人チェックイン、チェックアウトができる宿を選ぶ 7.9%
宿泊施設の衛生管理だけでなく、そもそも旅行の行先や日程についても、「密が回避できるかどうか」を念頭において選ぶようになった人が多いことがわかります。
大浴場は避けたい→「露天風呂付客室」が人気
コロナ禍での宿泊を伴う旅行では、宿泊形態も宿選びのポイントになりそうです。同調査で「コロナ禍以降、より魅力的に感じるようになった宿泊形態」について聞いたところ、次のような結果となりました。首位は半数以上を占めた「露天風呂付き客室」。人目を気にせず好きなタイミングでゆっくりと入れるという贅沢さで、コロナ前から人気のあった露天風呂付きですが、コロナ禍以降は「人との接触をできるだけ避けられる」というメリットも重視されているようです。また、「コテージ(一棟貸切)」(24.9%)や「客室数の少ない施設」(23.0%)、「グランピング」(20.6%)といった宿泊形態も20%を超えました。阪急交通社によると、今回のアンケートでは「観光を楽しむというより、宿を楽しみたい」という回答もあったということで、コロナ禍では観光ではなく宿自体を目的に旅行をする人も増えているようです。
- 露天風呂付き客室 54.5%
- 離れの宿(離れにある客室)33.5%
- コテージ(1棟貸切)24.9%
- 客室数の少ない施設 23.0%
- グランピング 20.6%
こういったユーザーの意識の変化を読み取り、旅行会社各社では「バス1人2席利用」「平日出発」のツアーや「露天風呂付き客室」「部屋食」の宿泊プランなど、密を避けて楽しめる旅の商品を相次いで発売しています。まだ海外旅行は難しい状況ですが、この春からはコロナ対策を前提に、新しいスタイルの旅を楽しむ人が増えそうです。
なお、冒頭に紹介したCriteoのダッシュボードは随時更新されています。国や地域ごとのデータも確認できますので、マーケティング戦略に是非お役立てください。https://www.criteo.com/jp/blog/criteo-seasonal-travel-dashboard/