リテールメディアが急速な成長を遂げつつある中、デジタルマーケティングに関する市場調査を行うeMarketerでは、「今年のデジタル広告支出の8分の1はリテールメディアに割り当てられる」と予測しています。リテールメディアの存在は何年も前から知られていますが、最近になって広告主はeコマースを利用する消費者のニーズを満たすために、また小売業者はブランドの需要に追いつくために奮闘しています。
リテールメディアを副次的な収益源から本格的なメディアビジネスへと転換するには、多額のテクノロジー投資が必要です。しかし、Criteoのクライアントの状況をみるかぎり、多くの企業では、すでに投資回収の見通しが立ちつつあるようです。
その証拠に、先日発表されたThe Forrester Waveのレポートにおいて、Criteoはサプライサイド向けリテールメディアソリューションの「Current Offering(現行製品)」の評価で最高スコアを獲得しました。では、リテールメディアの次の成長フェーズで小売業者を確実に成功に導くために、Criteoはどのような投資を行っているのでしょうか?
小売業者が収益を最大化するために必要なツールの提供
多くのリテールメディアプログラムにおいて、その基本となるのはやはりスポンサードプロダクト広告です。しかし、広告主がクリックした場合しか収益が出ないので、収益の向上には精度の高いクリック予測が欠かせません。
Criteoの実績あるAI駆動のクリック予測を活用することで、小売業者はスポンサードプロダクト広告からの収益を最大化することができます。Criteoの収益管理機能は極めてパフォーマンスが高く、これに匹敵する機能は他にありません。統合型のオークションを行うと、あらゆるデマンドソースが同時にインベントリにアクセスできるようになって競争が激化し、結果として小売業者の収益増に繋がります。さらに、オークションの改良を求める小売業者のニーズに応えるため、Criteoは新たな優先度コントロール機能を導入。この機能によって、小売業者は特定のブランドやキャンペーンにインベントリへの優先的なアクセスを提供できるようになりました。
常に消費者のショッピング体験を保護
小売業者が広告ビジネスに取り組む上での最大の課題は、広告収益の確保と消費者から支持される質の良いショッピング体験の両立です。ショッピング体験のコンテキストの中で、すべての広告の関連性を維持するには一定の運用負荷が生じますが、これは小規模であれば不可能なことではありません。ただし、ビジネスの規模が大きくなると、売上を下げずに安定した収益を生み出し続けるには、やはり自動化ツールが不可欠です。
Criteoの自動関連性アルゴリズムは、手作業による広告審査やリスクの高い商品分類に基づく関連性ルールに頼るのではなく、小売業者のサイトにおける個々のユーザーの購買行動から学習し、各小売業者に特化した関連性モデルを大規模に構築しています。これにより、関連性についての小売業者側の制約を遵守しつつ、すべてのキャンペーンで可能な限りのインベントリを配信できるようになります。また、手動によるキーワード承認プロセスの運用負荷も解消され、完全にセルフサービス化された体験をブランドに提供することも可能になります。
豊富な広告フォーマット – オンサイトとオフサイトを横断して、ショッピングジャーニーのあらゆる段階に対応
ブランドから最大限の広告支出を獲得するためには、小売業者はブランド認知から商品の購入に至るまで、消費者のショッピングジャーニー全体を通じて彼らをサポートできなければなりません。このため、小売業者はサイト内で多様な広告フォーマットを提供する必要がありますが、多くのブランドが目標に掲げる「ファネル上部」に対応するためには、サイト外にも小売メディア機能を拡張する必要があります。
これまで、こうした目標を達成するために、小売業者はタッチポイントごとに異なるソリューションを導入しなくてはなりませんでした。しかし、複数のソリューションを同時に使う管理環境には課題も多く、プライバシー保護規制の強化やID利用の制限の流れとも相まって、最近ではテクノロジーの一元化を求める小売業者が増えています。
Criteoは今年、オンサイトでのリテールメディアの収益化を目指して、Criteoのスポンサードプロダクト広告、ディスプレイ広告、そして独自のディスプレイ機能も組み込まれた統合型プラットフォームの提供を開始しました。また、オンサイトとオフサイトのリテールメディアの融合に向けたビジョンも、すでに実践段階に入っています。既存の統合機能をオンサイトでのリテールメディアの収益化に活かし、小売業者はブランドがオープンウェブ全体でシームレスにファーストパーティのオーディエンスにターゲティングして、SKUレベルで成果を測定できるようにします。そして最終的には、ブランドと代理店に対して、オンサイトとオフサイトのどちらのリテールメディア・キャンペーンでも使える統一されたエンタープライズ・グレードのセルフサービス・ツールを提供し、小売業者が新しいタイプの広告費を活用し、運営上の負荷を最小限に抑えることができるようにします。
複数ソースからのデマンドを最大化
小売業者によっては社内に直販チームが設けられているところもありますが、ほとんどの企業はパートナーのサポートを通じてナレッジの蓄積とリーチの拡大に取り組んでいます。Criteoは、小売業者が複数のソースからのデマンドを最大化できるテクノロジーの開発だけではなく、リテールメディアに関する深い専門知識を備えたチームの確立、小売業者の販売担当者向けトレーニングプログラムの作成、代理店やテクノロジープロバイダーとのパートナーシップ強化といった取り組みにも注力しています。
これまでCriteoは、Pacvue、Skai、Kenshoo、Flywheel、Perpetua、Tradeswell、Tinuiti、Marinをはじめとするデマンドパートナーによって構成される独自のエコシステムを構築してきました。いずれのデマンドパートナーも、Criteoが提供するリアルタイムのキャンペーン管理機能やレポートAPIを活用することで、最適なセルフサービス体験を生み出しています。これによって小売業者は、自社開発の負担を強いられることなく、パートナーからデマンドを獲得できるようになっています。
またCriteoは、大手代理店の持株会社すべてと協力関係を結んでおり、どの代理店とも競合することがなく、あらゆる代理店と連携してブランドをサポートし、小売パートナーへのデマンドを最大化できる有利なポジションを確立しています。さらに中立的なテクノロジープロバイダーとしては、代理店と各社のプライベートマーケットや直販チームなど、あらゆるソースからの予算獲得に向けて小売業者をサポートできる、最適なポジションを獲得しています。
メディア指標以上の役割を果たす、強力かつ信頼性の高いレポート機能を提供
商品の売上データに対するアドレサビリティは、おそらくリテールメディアからの最大の価値提案ではないでしょうか。Criteoは、小売業者のサイトやアプリと直接統合することで、eコマースのデータをほぼリアルタイムに収集し、ターゲティングとアトリビューションの両方に活かすことができています。
しかし最近では、広告主から信頼性の高いターゲティングやレポート機能にとどまらず、キャンペーンの目的やターゲティングの手法に応じて、リテールデータを幅広く適用できる柔軟性も求められるようになっています。これらのニーズに応えるため、Criteoはすぐに適用できる柔軟なアトリビューションを提供し、ブランドがポストクリック/ポストビューの対象期間や、アトリビューションの粒度(商品に限定した属性から、ブランド効果を含めた属性まで)など、さまざまな条件を複数のオプションから選択できるようにしました。売上アトリビューションを含め、すべてのパフォーマンスデータは4~6時間ごとに更新されるため、さらにスマートな最適化が可能になります。また、ログ単位の取引データを提供しているので、カスタムの分析も可能です。
常にこの分野の先駆者であることを目指すCriteoは、インサイトとデジタルシェルフの分析結果の融合にも注力しています。これにより、ブランドがメディア指標とオーガニックのコマースデータを組み合わせて、特定カテゴリーでの自社の総合的なプレゼンスや、競合と比べてどの程度の競争優位性が備わっているのかを、より詳細に把握できるようになります。こうしたインサイトによって、最新の情報に基づいた予算の計画と配分が可能になり、新たな投資機会を見極めて、リテールメディアキャンペーンの最適化を図ることができます。また、ブランドは新たなインサイトをコンテンツの最適化や販売する商品の決定にも、役立てることが可能になります。
マーケットプレイスの販売者とともに小売業者の収益化をサポート
サードパーティのマーケットプレイスを立ち上げる小売業者が増え、マーケットプレイスの出品者に広告の機会が生まれています。これによって小売業者には、新たな収入源がもたらされることになります。
Criteoは2021年第2四半期にMabayaを買収し、マーケットプレイスと販売者に特有のニーズに応える技術力を強化しました。 すでにリテールメディアプラットフォームを統合している小売業者は、開発作業の負担を強いられることなく、すぐにMabayaのテクノロジーを活用することができます。この市場におけるCriteoの独自性としては、広告主のタイプに応じて異なる体験を提供できるよう、小売業者をサポートしている点が挙げられます。たとえば、小売業者はCriteoのサポートを受けることによって、複数の小売業者を横断してきめ細かいコントロールを行いつつインベントリを購入したいと考えている大手ブランドに対しても、あるいはパフォーマンスの高い広告を迅速に配信するためのワークフロー効率化を求めているマーケットプレイスの販売者に対しても、それぞれに適した体験を提供できるようになります。
小売業者に包括的なGo-to-Marketの柔軟性を提供
今後、リテールメディアがどう変化していくのかについては、さまざまな意見があります。独自のウォールドガーデンの構築を目指す小売業者の登場も予想されますが、デジタルメディアの歴史を振り返ってみると、ブランドの投資を最大限に活かすためには、各メディアサプライヤーが共通の基準でキャンペーンを管理、レポートできるオープンエコシステムの構築が不可欠であることは誰の目にも明らかです。
Criteoは、小売業者が求める市場開拓の手段がどのようなものであっても、自社に特化したホワイトラベルのセルフサービス形式プラットフォームから、オープンエコシステムへの参入、その両方の連携まで、小売業者それぞれの戦略をサポートし、ビジネスニーズの変化に応じて発展させていくのに最適なツールを提供することができます。
Criteoは、リテールメディアに関するテクノロジー、パートナーシップ、カバー地域拡大への投資を継続し、ブランドと小売業者の双方がより柔軟に対応して、最終的に共に売上を伸ばすことができるようサポートしていきます。