コロナ禍を機にますます加速するEC市場。株式会社パドラが2021年10月におこなった調査では、コロナ前後で、オンラインショッピングの利用頻度について「週に1回以上」と回答した人がコロナ前は19.9%だったのに対し、コロナ後は38.7%に増加し、「月1回以上」と回答した人も含めると65.9%から84.3%に増加。さらに、緊急事態宣言が解除されてからも、オンラインショップ利用頻度は【変わらない】と回答した人は73.4%に上りました。コロナ禍を機にECショッピングが多くの日本人の生活にすっかり定着しつつあることが伺えます。
こうしたECの加速を背景に、実店舗のあり方に興味深い変化が現れています。それは、「売らない店舗」の台頭です。
その代表例と言える存在が、シリコンバレー発の体験型ショップ「b8ta(ベータ)」。2020年8月に新宿と有楽町の2点同時オープンを皮切りに日本市場に進出するやいなや大きな話題を集め、コロナ禍にも関わらず両店への来店客数は開店後1年で45万人を超えました。2021年11月には日本国内3店舗目となる渋谷店をオープン、12月にはメタバース市場を意識したバーチャル店舗もオープンし、順調に成長を続けています。
国内3号店となる渋谷店を2021年11月にオープン 出典:b8ta Japan プレスリリース
「b8ta」の最大の特徴は、店舗で販売を行わないこと。販売を収益減とせず、クライアント企業から出品された商品を来店客に体験してもらい、その反応や関心の度合い、商品を試してみた感想などをデータ化してクライアント企業に提供して対価を得るビジネスモデルを採用しています。
店内で試せる商品は食品から化粧品、自動車まで幅広く、開店中はいつでも実際に商品を手に取って使い心地や手触りを確かめたり、スタッフの説明を受けたりすることができます。定期的に入れ替えられるため、何度来ても飽きることはありません。しかも店舗での販売を目的としていないので、スタッフにしつこく購入を勧められたりすることもないため、リラックスして体験を楽しむことができます。事前にECサイトなどで見て興味を持った商品を体験するために目的意識をもって来店する人もいますが、ショッピングや通勤の途中にふらりと立ち寄る人も多く、そういった人たちにとって同店は、新たな商品やサービスとの思いがけない「出会いの場」としての役割も果たしています。
売らない店舗「b8ta渋谷店」の内部 出典:b8ta Japan プレスリリース
2022年夏には、同じくアメリカ発の「売らない百貨店」として注目を浴びているショーフィールズも日本進出することが決まっており、「売らない店」の存在感はますます高まっていきそうです。
オムニチャネル戦略で実店舗とECの融合を加速
このように実店舗とECサイトの融合が加速しつつある今は、実店舗とECの両方を運営するブランドや企業にとって、またとない成長のチャンスです。実店舗で取得した顧客のファーストパーティ―データをもとに、その顧客をオンライン上で特定してアプローチすれば、実店舗の顧客を自社ECサイトに誘導できますし、逆にオンラインの顧客に実店舗のセールやキャンペーンの情報を知らせる広告を提示すれば実店舗への来店を促すこともできます。つまり、オンラインとオフラインのデータを融合することによって、ECサイト・実店舗の双方において顧客との関係を深め、コンバージョンを向上させる効果が期待できるのです。
ここに着眼して開発されたのが、Criteoの新しいプロダクト「Criteo オムニチャネル」。Criteoオムニチャネルを使えば、オフラインデータをCriteo ショッパーグラフに統合してオフラインの顧客をオンラインで特定、店舗でのインタラクション、閲覧時の興味、インテントシグナルなど、各ユーザーのショッピングジャーニーの全体像を浮き彫りにした上で、効果的なキャンペーンを実施できる実店舗の顧客をオンラインへ、オンラインの顧客を実店舗に誘導、オムニチャネルでコンバージョンを促すことができます。
また、Criteoオムニチャネルでは、商品やサービスのみならず実店舗に関する情報を伝えるオムニチャネル専用の広告フォーマットを豊富にラインアップ。ユーザー1人ひとりの好みや購買傾向に基づき、高精度にパーソナライズした広告を自動生成します。これらのパフォーマンスベースの広告は、店舗の訪問などのユーザーのアクションを促すだけでなく、デジタル広告キャンペーンがどのように販売チャネル全体の売上や店舗訪問に貢献したかを示すレポートも提供します。御社のオムニチャネル戦略に、Criteo オムニチャネルをぜひご活用ください。