2019年6月13日、NBAファイナルの第6戦が米カリフォルニア州のオークランドで開催されました。優勝をかけて争うのは、トロント・ラプターズとゴールデンステート・ウォリアーズ。それまでに行われた5試合でファンの興奮は最高潮に達していましたが、第6戦も彼らの期待を裏切るものではありませんでした。
トロント・ラプターズの出場した第5試合をトロント・ラプターズの出場した第5試合をテレビで観戦したカナダ国内のファンは1,340万人を超え、2019年にカナダで放送されたTV番組の中で最高の視聴率を記録、NBAの試合としてもカナダ史上最高の視聴率を記録しました、まだ最終戦ではないにもかかわらず、カナダでは全人口の半数(1,820万人)が2019年NBAファイナルの一部または全試合を視聴していたことになります。
いよいよ最終戦に向けて熱狂が高まる中、私たちは、こういったスポーツの一大イベントが小売業界にどのような影響を与えているのか、Criteoのデータを使って調べて見ることにしました。その結果、思いもよらないことがわかったのです。
第6戦は、プレゲームの時間も含め、東部標準時の午後7時から午後11時50分にかけて開催されました。その間、両チームは熾烈な戦いを繰り広げ、絶妙なシュートやターンオーバー、スーパースター選手の負傷などにファンは一喜一憂、会場は熱気に包まれました。ツイッターも、この試合の話題でもちきりでした。
Criteoは1万9,500の小売業者とブランド、そして8,000億ドルを超える年間売上高を生み出すグローバルネットワークから、世界のショッピングトレンドに関するインサイトを引き出しました。第6戦の最中、世界では何が起こっていたのでしょうか?
ファッション&ラグジュアリー分野
1年の大部分を通じて、夜中のショッピングのピークが日中のレベルに達することはありません。しかし、NBAファイナルの開催中は、日中のピーク時を上回るショッピングが夜に行われたのです。特にその傾向が顕著に表れたのファッション、そして宝飾品など高級品の分野でした。
なぜ、こうしたことが起こるのでしょうか?Criteoでは、その理由はの1つとして、バスケに興味のない層が試合中にソファの上でオンラインショッピングを楽しんでいたからだろうと推測しています。プレゲームショーから第2クォーターの途中まで、ファッション・ラグジュアリー関連の売上は増加し続け、ピーク時にはその額が前週比71%増にまで達しました。その後、第2クォーターの後半からハーフタイムショーの間に売上は大きく減少しましたが、第3クォーターには再び増加に転じました。
最も興味深いのは、第3クォーター終了間際にクレイ・トンプソンが負傷し、そこから第4クォーターが開始するまでの時間です。この間、売上は通常レベルにまで急落したのです。
出典:数値は前4週の木曜日の平均売上を20分ごとの移動平均にしたもの。時間:EST、Criteoのファッション・ラグジュアリー分野、米国/カナダのデータ。
熱心なバスケファンではない人たち、つまり試合を見ずにスマホでショッピングを楽しんでいた人たちについても、ハーフタイムやクレイ・トンプソンの負傷直後には、売上の減少が見られました。これはおそらく、彼らがスマホから目を離して、テレビ画面に目を向けていたからでしょう。
では、試合終了間際に売上が減少したのはなぜでしょうか?それはおそらく、あまり熱心でないファンも、さすがに第4クォーターだけは観戦したからではないでしょうか。最後さえ見れば、試合の結果がわかるからです。
スポーツ用品の販売はストップ
スポーツ用品の売れ行きは、昼夜でほぼ同じような傾向にあります。ところが、NBAファイナル第6戦が行われた夜は、スポーツ用品の売れ行きが昼間を大きく下回りました。
試合前半は前週比66%~93%の増加を記録しましたが、後半の開始時に急落。その後、第4クォーターの開始時に再び急落したのです。ところが、終了間際の数分間は急上昇し、木曜日の平均値+98%も増加しました。
出典:数値は前4週の木曜日の平均売上を20分ごとの移動平均にしたもの。時間:EST、Criteoのファッション・ラグジュアリー分野、米国/カナダのデータ。
この時、一体何が起こっていたのでしょうか?おそらく、スポーツ好きの買い物客が、試合の最後の瞬間を見届けるためにショッピングを中断したとものと思われます。
インサイトにスリーポイントを
スポーツイベントにまつわるデータを分析すると、スポーツ関連用品の売上が上昇しているケースがよく見られます。たとえば、2018年のスーパーボウルではスポーツ用品の売り上げが422%増を記録しました。今回、他の商品カテゴリーも含め、試合中のポイントとなる瞬間を分析することで、買い物客のショッピング行動に関するインサイトを広い視野で観察することができました。こうしたインサイトは、マーケターに絶好のチャンスをもたらすはずです。
データ分析の結果についてさらに知りたい方は、Criteoデータハブをご覧ください。