電子出版市場の約9割を占める電子コミック市場
出版業界の調査・研究機関である公益財団法人全国出版協会・出版科学研究所によると、2021年の出版市場規模(紙+電子)は、前年比3.6%増の1兆6,742億円と3年連続で増加しました。
成長を牽引しているのは、電子出版です。同じく出版科学研究所によると、2021年の電子出版市場は前年比18.6%増の4,662億円と、大幅に増加。特に電子コミックの伸びが大きく、電子コミック市場は前年比20.3%増の4,114億円、電子書籍は同12%増の449億円にのぼりました。「東京リベンジャーズ」(講談社)など映像化作品のヒットや、韓国発の縦スクロールコミック(ウェブトーン)のヒットなどにより、電子市場におけるコミックの占有率は、実に88.2%と9割に迫る勢いです。
電子コミック市場の成長の背景にあるのは、漫画アプリの普及です。アプリ分析ツール「App Ape」によると、2021年10月現在の国内の漫画アプリのうち上位6アプリ(1位から順に「LINEマンガ」「ピッコマ」「マガジンポケット」「少年ジャンプ+」「マンガBANG」「ゼブラック」)の月間利用者数は2,438万人。2年前の2019年10月の2倍にまで増加しています。
漫画アプリのユーザー数が急伸し始めたのは2020年の春ごろから。最初の緊急事態宣言が発令された時期と重なることからも、コロナ禍で増えた「おうち時間」が、アプリユーザーの増加の加速に繋がったものとみられます。
漫画をアプリで読む理由第1位は・・・?
しかし、コロナ禍だけが漫画アプリ急成長の理由ではありません。紙ではなくアプリで漫画を読む人が増えたのは、アプリならではのメリットがあるからです。
MMD研究所が2020年11月に行った調査で、コミックアプリ(漫画アプリ)を利用し始めた理由を聞いたところ、次のような結果が得られました。
出典:MMD研究所
各アプリが無料で読める作品を提供している点、場所や時間に制約されずに読める点、紙のコミックと違って場所を取らない点など、アプリそのものに魅力があるからこそ、紙ではなくアプリで漫画を読むことを選んだ人が多いことがわかります。
漫画アプリ広告の市場規模は260億円規模に
また、漫画アプリがここまで急速に市場を拡大できた背景には、紙媒体にはない「習慣化の仕組み」があると考えられています。各アプリはSNSと連動したプッシュ機能で顧客に定期的にリーチ、無料で読めるコンテンツの情報や割引クーポン、来店ポイントなどの情報を提供して、ユーザーが漫画アプリを日常的に閲覧するよう促す戦略を展開、ユーザーの生活の中に溶け込んでいます。
さらに、漫画アプリで扱われている漫画のジャンルは少年・少女漫画、青年漫画から歴史、ミステリーやSF、インディーズ作品やアプリオリジナル作品まで幅広く、最新の漫画だけでなく過去の作品も数多く取り扱われているため、ユーザーの層が厚いのも漫画アプリの特徴。最新作を読みたい若年層だけでなく、「最近の漫画は読んでないけど、昔読んだ漫画が懐かしくて・・・」という中高年層の利用も目立ちます。しかも「東京リベンジャーズ」や「鬼滅の刃」のようにアニメ化・実写化されると、その原作を読むために、これまで漫画を読んだことがない層もアプリをダウンロード、さらにユーザーが増えるサイクルが出来上がっています。最近ではマンガのキャラクターを起用したキャンペーンやキャラクターグッズの販売など、企業とのタイアップが行われることも珍しくなくなっています。
そう、今や漫画アプリは、幅広い年齢の、様々な嗜好を持つユーザーとの出会いの場・接点を持つ場として、各業界から注目を浴びているのです。これを裏付けるのが、漫画アプリ広告市場の拡大です。IT関連メディア事業を展開するインプレス(東京都千代田区)の調査によると、2020年の漫画アプリ広告市場は前年比50億円増の260億円規模に。2021年はさらに伸びて280億円規模に達したものとみられており、漫画アプリ市場の拡大とともに、漫画アプリ広告市場の規模も続いていくことが予想されます。
Criteoの卓越したターゲティングとレコメンド機能をアプリ広告にも
漫画アプリだけでなくアプリ市場全体も、成長を続けています。総務省の「令和3年情報通信白書」で紹介されたOmdiaの予想によるとアプリ市場の規模は世界市場、日本市場ともに2023年には2020年比で約40%拡大するものとみられています。
こういった状況を受け、Criteoではアプリ広告の運用をご検討中のマーケターの皆様のために、アプリのインストール、エンゲージメントの構築、そしてリターゲティングを一元管理できる「オールインワン」のモバイル広告プラットフォーム「Criteoアプリ広告」をご用意しています。
【Criteoアプリ広告の用途】
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