男性はお小遣い減少、女性は増加
リモートワークが普及し、オフィスに通勤する機会が減ったことで、お金の使い方が変わった・・・という人も多いのではないでしょうか?今回は会社員の皆さんのお小遣い事情から、コロナ禍によるお金の使い方の変化をみていきましょう。
新生銀行が20~50代の有職者の男女約2700人を対象におこなった「2021年サラリーマンのお小遣い調査」によると、男性会社員の毎月の平均お小遣い額(昼食代含む)は38,710円と、前年より709円減少。年代別に見ると20代が最も高く45,581円、次いで30代で40,710円となり、ともに4万円を超えていますが、40代と50代は3万円台前半~半ばと世代間で差が出る結果となりました
一方、女性会社員の毎月の平均お小遣い額は34,398円と、前年より544円増加。年代別では30代が最も高く40,276円、次いで20代34,398円、40代は32,086円、50代では3万円を割り込んで27,907円となっています。
では、お小遣いの金額の変化にはどのような背景があるのでしょうか?同調査でお小遣いがアップした人、ダウンした人にそれぞれ理由を聞いたところ、男性会社員におけるお小遣いがアップした理由は、「給料が上がったから」が45.0% で最も高く、次いで「投資などを始めたから」が16.3%、「副業をはじめたから」15.0% が続きました。女性会社員は1位が男性と同じく「給料が上がったから」、次いで「外出自粛により外食費が減り、その分をお小遣いに回したから」が2位にランクインしました。
一方、お小遣いがダウンした人にその理由を聞いたところ、男性会社員では、「給料が減ったから」が66.3% で最も多く、「生活費にかかるお金が増えたから」 17.5%、 「子供の教育費がかかるようになったから、増えたから」16.3% が続きました。また、女性会社員の理由は、男性会社員同じく「給料が減ったから」が59.5% で最も高く、「生活費にかかるお金が増えたから」 24.3%、「新型コロナウイルスの影響で本業の収入が減少したから」16.9% と続きました。増えた人も減った人も、背景にはコロナウイルスの影響による働き方や生活様式の変化があるようです。
平均ランチ金額は男性が女性の+60円
会社員のお小遣いのうち大きな割合を占めるランチの代金にも、今年は変化が見られました。特に顕著だったのは男性会社員のランチ代の上昇です。同調査によると2021年の男性会社員のランチの平均金額(オフィス出勤日、弁当持参日は除く)は昨年比+64円の649円で、過去10年間で最高になっていたことがわかりました。年代別に見ると20代が最も高く、平均803円と、前年を約100円上回っています。女性会社員の平均も前年から7円増えて590円に。増加したのは20代(平均638円)と40代(平均588円)で、30代と50代は前年を下回っています。
ランチ代が増えた理由について最も多かったのが「外食を利用する頻度」「1食あたりにかける金額」「お弁当を購入する頻度」がそれぞれ上がったことを挙げた人が多くなっています。在宅勤務が多く、外食自粛の傾向が高かった前年に比べ、オフィスに出勤して外食やお弁当購入する機会が増えたことが、ランチ代増加に繋がっているようです。
ランチのスタイルとしてコロナ禍以降、特に人気が高まっているのは「おひとりさまランチ」。スターツ出版が運営するレストラン予約サイト「オズモール」によると、平日ランチのおひとり様予約はコロナ前の2019年に比べ、2021年は3.7倍に。背景には、複数人での外食がしづらいというコロナ禍特有の理由だけでなく、「一人で気楽に好きな物を食べたい」というニーズの高まりがあるようです。
プチ贅沢なおひとりさまランチを楽しむ人がいる一方、ランチ代を節約したいという人も。エデンレッドジャパンの調査では、20代でランチを欠食する人の約半数が理由として「節約」を上げています。新生銀行のお小遣い調査でも、平日のランチで最も多かったのは男女ともに「弁当持参」でした。
コロナ禍で出社や外食の頻度が減った分、1回の食事にお金がかけやすくなった一方で、コロナ禍での収入減や物価高への懸念を背景に、節約しやすい食費からしぼっていきたい・・・という節約志向も高まりつつあるのかもしれません。
外での飲み代は男女ともにUP!
コロナ禍の影響で、外でお酒を飲む機会が減った人が多い中、1回当たりの飲み会の金額には顕著な増加傾向がみられました。
男性会社員の1回あたりの外での飲み代は6,159円、1回あたり の飲み代と1ヵ月の平均飲み回数から算出した1ヵ月の飲み代は前年比1, 609円と大幅に 増え、13,229円となりました。女性会社員の1回当たりの飲み代は5,357円、1ヵ月の飲み代は前年比1,252円増の9,707円と大幅な増加に転じていることが明らかに。外で飲む回数が減った分、せっかくの外飲みの機会にはちょっと奮発を・・・という意識が働いているのかもしれません。
増えた支出No.1は「水道光熱費」、減ったものNo.1は・・・?
では、ランチ代や飲み代以外の支出には、どのような変化が見られたのでしょうか?新生銀行の調査で、男性会社員・女性会社員にコロナの影響で、支出が増えたもの・減ったものを聞いたところ、次のような結果になりました。
<男性会社員>
支出が増えたもの
- 水道高熱費(34.0%)
- テレワーク関連費用(20.9%)
- 子どもの教育関連の費用(20.1%)
- 食費(16.6%)
- 通信費(13.0%)
支出が減ったもの
- 旅行代(63.8%)
- 飲み代(63.2%)
- ファッション費用(42.4%)
- 身だしなみのための費用(36.2%)
- 食費(33.4%)
<女性会社員>
支出が増えたもの
- 水道光熱費(44.4%)
- 食費(26.4%)
- 子どもの教育関連費用(25.8%)
- テレワーク関連費用(20.5%)
- 通信費(14.1%)
支出が減ったもの
- 旅行代(70.5%)
- 飲み代(64.1%)
- ファッション費用(62.8%)
- 身だしなみのための費用(50.8%)
- 趣味の費用(36.9%)
水道光熱費やテレワーク関連費など家の中での支出が増えた一方、旅行やファッション、身だしなみ費用など外出関連の支出は大きく減少しており、コロナによる影響が濃厚に表れる結果となっていることがわかります。コロナによって支出が大きく変わったということは、コロナの収束によっても大きく変わる可能性があるということ。これから外食や旅行が本格的に再開されると、お金の使い方は再びコロナ前に戻っていくのか、それとも「新しい日常」の間に身に付いたお金の使い方が定着していくのか、2022年は消費のターニングポイントを迎える年になるかもしれません。
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