Criteoは消費者のショッピング動向把握を目的に、毎月、世界中の数千人の消費者を対象にアンケートを実施していますが9月のアンケートでは、彼らのホリデーシーズンの計画を把握すべく、特別な質問を加えました。
調査結果のうち、マーケターの皆さんに知っておいていただきたい点は次のとおりです。
消費者はホリデーシーズンのチャンスを最大限に活かすべく、お金を節約したり、プレゼントを贈る範囲を縮小したりしている
全世界の回答者の52%が、「今年は予算が問題になりそうだ」と答えており、今年は例年よりも経済的に厳しいホリデーシーズンになりつつあることがうかがえます。そのため、全世界の買い物客の49%はホリデーシーズンの支出に備えて今から節約しており、プレゼントを贈る相手を少人数に抑える予定だと回答しています。「プレゼントは少人数にしか贈らない予定」との回答が半数弱(47%)にも上っていることから、今年は「近しい家族にはプレゼントを贈るものの、友人は対象外」とする人も多そうです。「ベビーシッターなどのヘルパーにプレゼントを購入する予定」と回答したのは、わずか9%にとどまりました。世代を問わず4分の3以上(77%)が、ホリデーシーズン用のプレゼント購入に使える割引やプロモーションを探す傾向にあることが判明しています。
若い世代はオンラインと実店舗の両方で支出を増やす可能性が高い
全世界のZ世代とミレニアル世代の過半数(それぞれ55%と52%)が、今年は昨年よりもオンラインでの支出を増やす予定だと答えています。また、同じくらいの割合(それぞれ52%と46%)が、実店舗でのショッピングについても同じ予定であると回答しています。こうした世代は幼い子どもがいて、購買力が最も高い傾向があるため、X世代やベビーブーム世代よりも支出を増やす予定であるのも当然と言えます。
一方、ベビーブーム世代でオンラインでの支出を増やす予定だと回答したのはわずか29%で、約4分の1(24%)は今年は支出を控える予定と回答しています。また、この年齢層は定収入で生活している人が多く、経済的な圧力を感じやすいので、これもまた納得の結果と言えるでしょう。
米国、英国、オーストラリアでは、プレゼント探しはGoogleよりも、まずは実店舗や小売業者のウェブサイト、アプリで始めることが多い
米国とオーストラリアでは、買い物客がプレゼントを探し始める場所の第1位は実店舗で、その後に小売業者のウェブサイト、アプリが僅差で続きます。英国では小売業者のウェブサイト、アプリがトップで、実店舗がそれに続きます。
世界的に見ると、実店舗が依然としてトップで、41%がプレゼント探しを始める場所に選んでおり、検索エンジンが第2位で38%となっています。第3位は小売業者のウェブサイト/アプリがランクインし、31%がプレゼントを探し始める場所に選びました。
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米国では、今シーズンにオンラインショッピングを選択する理由として、ガソリン代の節約が上位に
ガソリン価格はここ数カ月下落していますが、再び上昇の兆しを見せており、米国の買い物客の40%以上が、ガソリン代を節約できるのでオンラインでショッピングする予定と回答しました。アンケートでこの回答が上位3位に入った国は米国だけです。
世界の他の国では、今シーズンにオンラインでショッピングする上位の理由として、「時間の節約のため」(56%)、「オンラインなら実店舗では見つからないようなプレゼントが見つかる」(45%)、「オンラインの方がお買い得商品がありそう」(43%)が挙げられました。
買い物客はリアルな感覚を求めて実店舗に集まる
消費者が実店舗に足を運ぶのは、リアルで心動かされる体験を求めているからです。全世界の回答者の過半数が、実物を見たり手に触ったりしながらプレゼントを選ぶことを好んでおり、43%がホリデーシーズンに実店舗を訪問するのが好きだと回答しています。また、同率で実店舗だとよいアイデアが浮かぶという理由も挙がっています。
全世界の買い物客の3分の2が、すでにホリデーシーズンのショッピングを開始している
ホリデーシーズンのショッピングを先延ばしにする人は少数派となり、全世界の買い物客の58%が、9月時点でホリデーシーズンのプレゼントについて検討していると回答しています。ホリデーシーズンのプレゼントに対する全世界での注目度は、7月から上昇し始めています。
世代別に見ると、興味深いことにZ世代とミレニアル世代の約半数は、一年中いつでもホリデーシーズンのプレゼントについて考えています。つまり、この世代はホリデーシーズン用のプレゼントについて、常にアンテナを張っているということです。
Amazonが「Prime Early Access Sale」を発表した理由は、ホリデー用のショッピングを始める時期が早まったから?
買い物客は「今、ホリデーシーズンのプレゼントを検討している」と回答しており、ここ数年は11月全体の売上が伸びている一方で、ブラックフライデーの売り上げ急騰は以前よりも穏やかになっています。Prime Early Access Saleと名付けられたAmazonの最新イベントは、10月から11月にかけての小売業者のイベント(米国ではTarget Deal DaysやWalmart Deals for Days、オーストラリアではClick Frenzyなど)の中でも最も新しいもので、世界中の小売業者が、ブラックフライデーそのものよりも、ブラックフライデーまでの期間に焦点を当てるべきだということを、改めて証明するものです。
Prime Early Access Saleはまだ新しいイベントのため、十分なデータがありませんが、2020年10月のAmazonプライムデーからその前兆を垣間見ることができます。このイベントから得られる主な教訓は、Amazonがプライムデーをいつ開催しても、それに便乗して独自のプロモーションを行ったブランドはハロー効果で大きな恩恵を受けるということです。
マーケターへのアドバイス
- インマーケットなオーディエンスに焦点を当てたキャンペーンを実施しましょう。厳しい状況にもかかわらず、消費者は今年のホリデーシーズンを最大限に活かすべく、できる限りのことをしようとしています。今年、消費者が「誰に何を買うのか」については変化があるかもしれませんが、焦点をしぼったキャンペーンを実施すれば、積極的にプレゼントを探している消費者のみにリーチできるはずです。企業は賢く予算を使い、消費者がホリデーシーズンの予算が使えるようにサポートしてください。
- 今年のホリデーシーズンは、Z世代やミレニアル世代に訴求するキャンペーンやプロモーションを展開しましょう。彼らは、これまでにないほど早い時期からプレゼントの検討を始めており、全世代の中で最も多くの支出を予定しています。
- 消費者は主にウェブサイトやアプリでプレゼント選びをします。実店舗の商品棚と同じようにECサイトの品揃えにも注意してください。オンラインでの購入の90%は商品検索結果の最初のページから行われています。リテールメディアを活用したキャンペーンを実施して、商品をより多くの人に見てもらえるようにしましょう。
- 実店舗への再訪を促すキャンペーンを通じて、実店舗の顧客にオンラインでリーチしましょう。オンラインでの発見から、実店舗での購入までのコミュニケーションを完結させます。消費者が希望する場所で、簡単に購入できるようにしてください。
- 「オールウェイズオン」キャンペーンを立ち上げて、消費者が関心を示したらすぐにリーチしましょう(Z世代とミレニアル世代の50%はホリデーシーズンのプレゼントについて一年中考えています)。
- サイバー月間を利用して他の小売業者の一歩先を行き、ブラックフライデーよりも前に独自のプロモーションを行います。Prime Early Access saleのような大きなイベントに便乗し、成功を収めましょう。