小売業者のウェブサイトやアプリ内のスポンサードブランド広告「リテールメディア」は新しい概念ではなく、ファーストパーティーデータを活用してパフォーマンスを向上させるチャネルとして、これまで着実に成長を続けてきました。ところが、ここ数カ月でリテールメディアは急成長し、多くのブランドで最優先すべき予算投下先となっています。
なぜ今、リテールメディアがこれほどの急成長を遂げているのでしょうか?
いくつかの理由が考えられますが、おそらく最大の要因は「Eコマースへの大きな移行」だと考えられています。
Eコマースが普及するのは2023年頃。
この数カ月の間に起きたEコマースの急拡大には、本来であれば3~4年の歳月がかかるはずでした。ところが、新型コロナウィルスのパンデミックという異例の事態により、全世界でオンラインショッピングへの移行が大幅に加速されました。
では、この変化はどれほどの規模のものなのでしょうか?米国と欧州・中東・アフリカの主な統計データを見てみましょう。
- eMarketer は、米国では2020年にEコマースが小売業の総売上高の14.5%を占め、「単一年度では過去最高かつ最大のシェア拡大」になると予測しています。
- 英国小売業者のEコマースの売上は本年度の小売業総売上高の27.5%を占めると予測され、この割合は2024年までに3分の1にまで到達すると見られます。
- フランスでは、小売業者のEコマース売上が2020年に17.1%増加すると推定されます。
- McKinseyによると、大半のカテゴリーでオンラインの顧客ベースが10%以上拡大しています。
- 米国国勢調査局(DOC)の報告によると、第2四半期のオンラインの売上は昨年同期比で44.5%増加しています。
- 一部のCriteoリテールメディアの小売パートナーの報告では、2020年第2四半期のEコマース売上高は100%~200%の増加となっています。
新たなデジタルストアの買い物客(eMarketerの推定によると、2020年の新たなデジタルバイヤー数は740万人)の増加は一時的な傾向ではなく、恒久的なものと見られます。これは、Criteoの消費者アンケートの結果によっても明らかです。
オンラインショッピングの急増は一時的ブームではない。
消費者は必要に迫られてオンラインショッピングを利用するようになりましたが、再び実店舗で安心してショッピングできるようになっても、オンラインショッピングを続けるのでしょうか?Criteoの消費者アンケートでは、大半が肯定的な回答を示しています。
アンケートに回答した世界の消費者の30%は、パンデミック中に新たに利用したオンラインでの商品購入を、今後も継続するつもりだと回答しています。また、21%はオンラインでの食料・日用品の購入を続けると回答しています。旅行やレストランへの出費が減少し、貯蓄が増加した分を、オンラインの小売サイトや食料品店での購入に回しているようです。
全世界の10人に4人の買い物客が、これまでに利用したことのないオンラインストアを発見して商品を購入したと回答してます。
が新たに利用するようになった店舗で今後も購入するだろうと回答
McKinseyのデータでも同様の傾向が示されており、COVID-19以降、世界中のあらゆるカテゴリーで、これまで以上にオンラインショッピングを利用する意向の人が増えています。
リテールメディアは、ますます混雑するデジタルシェルフでの可視性を強化
オンラインショッピングの急成長を受けて、各ブランドはリテールメディアを通じて小売パートナーのウェブサイトやアプリといったデジタルチャネルから、買い物客を獲得したいと考えています。
可視性は非常に重要です。小売業者の検索結果の1ページ目は、全収益のほぼ90%を占めています。またこの1ページ目の最初の10SKUは、収益の25~30%を占めます。
リテールメディアは、商品を探している買い物客にネイティブ広告やディスプレイ広告を使ってリーチし、デジタルシェルフ内でブランドを際立たせます。リテールメディアがなければ、ブランドは検索結果の2~3ページ目に埋もれてしまうおそれがあります。
リテールメディアは商品への可視性を高めるとともに、ブランドの売上をキャンペーンに反映させ、サードパーティークッキーに依存しない広告オプションを提供します。
オンラインショッピングは、今後も成長の一途を辿るでしょう。今こそ、リテールメディアの活用を始める絶好のチャンスです。御社も、リテールメディアの活用を検討してみませんか?
リテールメディアについてもっと詳しく知りたい方は、Criteoリテールメディア(ブランド向け)のページをご覧ください。