最後に購入した商品をみつけた場所はどこですか?
調査対象者に最後に購入した商品との出会いの場について聞いたところ、実店舗と回答した人は全体の41%。対して小売業者やブランドのウエブサイトやアプリと回答した人は計65%、検索エンジンが21%、SNSが17%と、ほとんどの人が欲しい商品とオンライン上で出会っていることがわかります。
Amazonを使うのはなぜ?
オンライン・ショッピングと言えば、Amazon。米Amazonが2月1日(現地時間)に発表した2023年度(2023年1-12月)連結業績によると、売上高は前期比11.8%増の5747億8500万ドルと、今もなお順調に業績を伸ばし続けています。日本でも成長は続いており、公表されていないものの、2021年にニールセン等が行った調査では、日本でも約1460万人がAmazonプライムに加入しているといわれています。便利なECモールは他にも多く存在するのに、なぜ人々はアマゾンを利用するのでしょうか?
Amazonの人気は「低価格」、「Prime特典」、「レビュー」に支えられているようです。このうち、レビューについてはオンライン体験全般についてのアンケートでも、全体の約68%が「意思決定に重要」と回答していますが、その一方で55%が「Amazonのレビューの中には偽レビューがあるのではと疑っている」と回答しています。
Amazonの問題点は?
偽レビューの他にもAmazonを利用することに、何らかの抵抗を感じている人もいます。Criteoが「Amazonで買い物をすることによる制限は何か」を聞いたところ、ダントツの1位は「一部の出品者による偽造品や低品質商品のリスク」(46%)と、商品の品質や真偽に不満を持っている人が多いことがわかりました。
ここまでの調査結果をまとめると、低価格や送料無料などの特典に惹かれてAmazonを選ぶ一方で、アマゾンの商品には低品質なものや偽物が含まれていること、また、Amazonによる寡占が地域経済に悪影響を及ぼしていることを懸念している人が少なくないことがわかります。
逆に、Amazonではなく他のECを利用する理由としては、主に次の3点が挙げられました。Amazonにはない高品質な商品を揃え、送料無料や割引などの特典やキャンペーンを上手に使うことで、選ばれるサイトに成長する余地は十分にあると言えそうです。
個人情報についてはどう考えている?
上の質問では、全体の16%が、アマゾンにより自身の個人データや購買行動がアクセスされていることに懸念を抱いていると回答しました。こういったオンライン上での個人情報の取扱いに関連する問題として、サードパーティー・クッキー廃止の広告業界への影響について聞いたところ、次のような結果が得られました。サードパーティー・クッキー廃止の解決策を業界が模索していることを知っていると答えた人はわずか13%。53%は「よくわからない」と答えています。一方で、自身のデータが快適な広告体験に繋がっていることを理解している人は少なくなく、自身のデータの利用を拒否すれば関連性の低い広告が表示されてしまうリスクを理解している人は34%、同じ広告が頻繁に表示されてしまうリスクを理解している人は28%に上っています。
話題のAI、どんなときに使いたい?
また、今回の調査ではECサイトでも活用が進むAIについても取り上げました。AIを搭載したチャットアプリやウエブサイトはショッピングのどういったシーンで役立つかを聞いたところ、意外にも「商品との出会い/発見」に使いたい人」が「商品の詳細を聞きたい人」を上回る結果に。やはり、ここでも商品探しの第一優先事項を価格とする人が圧倒的に多いことが浮き彫りになりました。
SDGsへの配慮は必須?
最後に、熱心に取り組んでいる企業も多い「SDGsへの配慮」について。調査結果を見ると、SDGs関連の取り組みが購入の決め手になっているとまでは言えないものの、商品の品質を左右する「原産国」については、重視している人が多いことがわかりました。
以上、Criteoによる最新の消費者センチメント調査の概要を2回に分けてご紹介しました。インフレや物価高、自然災害の頻発や異常気象、長引く戦争など、予断の許さない社会情勢が続く中、消費者の「より良い商品を、より安くお得に手に入れたい」という願望がますます強くなっていることがわかりました。単に安いだけでなく、上質な商品を求める消費者のニーズをいかにして満たすのか。「選ばれるサイト」になるための企業努力が、これからますます求められるようになりそうです。