総広告費・インターネット広告費ともに過去最高を記録
日本の広告市場の「今」を知る上で欠かせない電通の年次リポート「日本の広告費2023」が発表されました。同調査は媒体別・業種別広告費を推定したもので、①マスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア広告費の合算)、②インターネット広告費(インターネット広告媒体費、物販系ECプラットフォーム広告費、インターネット広告制作費の合算)、③プロモーションメディア広告費(屋外、交通、折込、DM<ダイレクト・メール>、フリーペーパー、POP、イベント・展示・映像ほかの合算)の3つを調査対象としています。本調査によると2023年の総広告費は、通年で7兆3,167億円(前年比103.0%)となり、1947年の推定開始以降、前年に続き過去最高を更新しました。媒体別の広告費とその動向は以下のとおりでした。
1. マスコミ四媒体広告費:2兆3,161億円(前年比6%)
四媒体広告費のうち「雑誌広告費」と「ラジオ広告費」は増加したものの、「新聞広告費」と「テレビメディア広告費」が減少し、マスコミ四媒体全体では前年を下回りました。
2. インターネット広告費:3兆3,330億円(前年比8%)
進展する社会のデジタル化を背景に、今年も「インターネット広告費」は堅調に伸長し、総広告費に占める構成比は45.5%に達しました。電通ではコネクテッドTV(インターネット回線に接続されたテレビ端末)の利用拡大に伴う動画広告需要の高まりや、デジタルプロモーション市場の拡大などが成長に寄与したと分析しています。
3. プロモーションメディア広告費:1兆6,676億円(前年比4%)
新型コロナの5類感染症移行に伴う各種イベントの再開や大規模化に加え、複合型商業施設やテーマパークなどでの催事企画の増加により「イベント・展示・映像ほか」が大きく増加しました。また、大型でインパクトのある企画が増加した「交通広告」や「屋外広告」も、プロモーションメディア全体の成長に寄与したと考えられます。
メディア化するECサイト
今年も引き続き堅調な伸びを示したインターネット広告費。広告種別で見ると、検索連動型広告は前年比109.9%の1兆729億円となり、初めて1兆円を突破。インターネット広告媒体費に占める構成比は39.9%を記録しました。取引手法別で見ると、運用型広告は前年比110.9%の2兆3,490億円で、インターネット広告媒体費に占める構成比は87.4%。予約型広告は前年比100.0%(2022年:2,647億円、2023年:2,648億円)とほぼ横ばい、成果報酬型広告は前年比75.8%と減少傾向が続いています。
出典:電通ニュースリリース
また、インターネット広告費の中でも、特に成長が目立ったのが「物販系ECプラットフォーム広告費」 で、前年比110.1%増の2,101億円(前年比110.1%)を記録。ECショッピングの定着が進んだことを背景に、前年に続いて二桁成長を達成しました。
ここでいう「物販系 ECプラットフォーム広告費」とは、生活家電・雑貨、書籍、衣類、事務用品などの物品販売を行う「物販系ECプラットフォーム」に出店している事業者が、当該プラットフォーム内に投下した広告費のこと。サードパーティー・クッキーの規制強化を背景にファーストパーティー・データの重要性に注目が集まる中、小売事業者のファーストパーティー・データを活用して広告を配信できるECサイトは、広告主にとって今後ますます魅力的な広告プラットフォームとなっていくはずです。
日本のリテールメディア市場、2026年に800億円超に
ECサイトを広告プラットフォームとして活用するビジネスモデルのうち、出店事業者以外のブランドや企業が広告を配信するビジネスモデル=「リテールメディア」も、急速にその市場規模を拡大しています。先行地域であるアメリカではウォルマートやターゲットなど小売り大手が相次いでリテールメディア事業に参入、その市場規模はすでに7兆円を超えています。やや遅れをとった日本でも「リテールメディア元年」といわれた2023年を経て、リテールメディア市場は拡大を続けており、市場規模も2022年の段階ではまだ135億円にとどまっていますが、このまま順調に参入が進めば、2026年には805億円規模にまで達すると見られています。2024年にはGoogle Chromeのサードパーティー・クッキー廃止が予定されており、サードパーティー・データを使ったターゲティング広告の配信が不可能になると予測されることから、小売業者のファーストパーティー・データを活用できるリテールメディアの存在感はますます大きくなっていくことが容易に想像できます。
Criteoではリテールメディアの可能性にいち早く注目、小売業者向け・広告主向けそれぞれに特化したソリューションを提供、アメリカではすでに60%以上の小売業者がCriteoのリテールメディアを活用しています。現在は日本でも正式にローンチし、大手ドラッグストア様はじめ、複数の小売業者の皆様での導入が進んでいます。Criteoのリテールメディアの特長は、オンサイト・オフサイト双方に1つのプラットフォームから配信が可能なこと。無限の可能性が広がるオフサイト広告を、御社の商品やサービスに興味関心を持つ可能性が高い消費者に、最適なタイミングで配信できます。ECサイトから新たな収益(広告収入)を生むリテールメディア事業への参入を検討される小売業者の皆様、ぜひCriteoリテールメディアをご活用ください。
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