2021年のブラックフライデー:消費者アンケートから得られたインサイト

年に1度のビッグセール「ブラックフライデー」が数週間後に迫っています。昨年のブラックフライデーは、さまざまな意味で異例のイベントとなりました。まず、いつもは夏に開催されるAmazonプライムデーが10月中旬に変更されたことにより、これまでで最も早いショッピングシーズンの幕開けとなりました。また、COVID-19のパンデミックの影響により、多くの小売業者が実店舗の営業自粛を余儀なくされました。私たちは少なくとも、去年の売上データから昨年起こったことを理解し、それを今年の戦略策定に役立てることができます。果たして消費者の今年の行動やトレンドは、どのようなものになるのでしょうか?

2021年のブラックフライデーが近づくにつれ、世の中やコマースに影響を与える要因は刻々と変化しています。こうした変化が消費者にどんな影響を与えているのか、そして今年のブラックフライデーにはどのようにショッピングをしようとしているのかを探るべく、

Criteoでは10月の初めに世界9カ国の4,000人以上の消費者を対象に、今年のブラックフライデーの予定について、アンケート調査を実施しました。その結果を踏まえ、本ブログではマーケターや小売業者が知っておくべき情報をご紹介します。

実店舗・オンライン共に、今年のブラックフライデーはミレニアル世代が勢力を増す。

Criteoの調査によると、全世界の買い物客の半数以上が、今年のブラックフライデーは実店舗でのショッピングを考えており、また71%がオンラインでショッピングすると回答しています。中でもミレニアル世代は、他のどの世代よりもこの日にショッピングする可能性が高く、実店舗とオンラインの両方でショッピングする予定と回答しています。実際、ミレニアル世代の10人中6人(57%)が実店舗でのショッピングを計画し、平均を5ポイントほど上回っています。また4分の3(75%)が、オンラインでショッピングすると回答しています。

一方、ベビーブーム世代の半数以上は、今年のブラックフライデーは実店舗に行かないと考えており、実店舗で買い物をすると回答したのは10人中4人(39%)にとどまりました。また、この世代はイベント期間中にオンラインでショッピングする可能性も一番低く、全体的にイベントを避けていることがわかります。

興味深いことに、実店舗・オンラインを問わず、ブラックフライデーに買い物をする可能性は所得水準の違いにかかわらずほぼ同じでした。

ブラックフライデーの購入意欲に関する国別のデータ

以下のインタラクティブチャートで、知りたい国の購入意欲のトレンドを確認できます。

80%の消費者が、今年のブラックフライデーに新しいオンライン店舗を発見する

調査で買い物客の10人中8人が「ブラックフライデーの期間中に新しいオンラインショップを発見するだろう」と回答していることからも、ブラックフライデーは新規顧客獲得の絶好の機会であることがわかります。

では、彼らが新しい店舗を試したいと思うきっかけは何でしょうか?消費者が新しいオンライン店舗を試すのに影響を与える要因としては、「大幅な割引」「送料無料」「他では提供されていない商品の割引」「迅速な配送」「早期限定セール(ブラックフライデー前)」の5つが挙げられます。

では、どうすればこれらの新規顧客をロイヤルカスタマーに転換できるのでしょうか?Criteoの調査から、「大幅な割引」や「送料無料」、「迅速な配送」に加え、次の3つの要素がロイヤルティに大きな影響を及ぼすことがわかりました。

割引商品の選択ブラックフライデーの時期に知った新しいウェブサイトを再訪問する理由として4番目に多く挙げられたのが、「他の店舗では割引されていない商品の割引」があることでした。

カスタマーサービス割引商品の選択に次いで多く挙げられたのは、「優れたカスタマーサービス」でした。

購入体験カスタマーサービスと同じく、買い物客は優れた購入体験があった場合に、リピート購入するだろうと回答しています。

店舗の発見とロイヤルティ向上の要因に関する国別のデータ

以下のインタラクティブチャートで、知りたい国の購入意欲のトレンドを確認できます。

ブラックフライデーに向け、ほとんどの消費者は1119日、またはそれ以前からショッピングジャーニーを開始します。

世界の買い物客の半数以上(54%)が、遅くとも1週間前からブラックフライデーのショッピングについて考え始めるとしており、そのうちの約4分の1(24%)は2~4週間以上前からショッピングジャーニーを開始しています。

ショッピングジャーニーのトレンドに関する国別のデータ

以下のインタラクティブチャートで、知りたい国のショッピングジャーニーのトレンドを確認できます。

2021年のブラックフライデー:マーケターへのヒント

今回の調査結果を踏まえ、今年のブラックフライデー商戦に向けマーケターが留意しておくべき3つのポイントをご紹介します。

  1. 今年のブラックフライデーは、ミレニアル世代がオンラインと実店舗の両方で積極的にショッピングすると予想されるため、強力なオムニチャネル戦略を用意しておくことが成功のカギとなります。たとえば、近隣の実店舗に在庫がある商品を「クリック&コレクト(オンラインで注文、店舗で受け取り)」できる商品を提示する広告や、顧客リストをアップロードすることで実店舗しか利用したことのない顧客をオンライン上で特定・アプローチするといった方法です。
  2. 新規顧客獲得には、「大幅な割引」や「送料無料」、「迅速な配送」に加え、「他では提供されていない商品の割引」の提供も検討してください。また、ショッピングシーズのピーク時には、最高のカスタマーサービスと購入体験を提供するようにしてください。これが来年以降のリピート購入に繋がります。
  3. ブラックフライデーに向けたキャンペーンは遅くとも11月上旬から開始し、ショッピングジャーニーの序盤から買い物客に御社の商品を思い出してもらい、彼らの購入に影響を与えるようにしましょう。Criteoの調査によると、買い物客は遅くとも1週間前にはブラックフライデーについて考え始めており、10人中3人がブラックフライデーに新しいオンライン店舗を試す理由の1つとして「早期限定セール」の有無を挙げています。

ホリデーシーズン商戦のヒントについてさらに詳しく知りたい方は、Criteoのホリデーコマースレポート 2021をぜひこの機会にダウンロードしてお読みください。レポートは以下のフォームに入力することで、ダウンロードいただけます。