[調査] 2020年のグリーントラベラー:旅行に関するZ世代の傾向

更新日 2021年01月13日

現代の消費者は環境への負荷をかつてないほど意識するようになっており、これが旅行チケットの購入にも影響を及ぼしています。

グリーントラベラーに関するCriteoのグローバル調査

Criteoはこのたび、消費者の旅行の計画・予約にこの傾向がどのように影響するかについて探るべく、世界の旅行者1万3,000人を対象に調査を実施しました。その結果、次のことが明らかになりました。

1.グリーントラベルを最も意識しているのはドイツ

調査によると、環境への負荷に配慮した旅行(グリーントラベル)にかけてはドイツが群を抜いています。Criteoでは、「過去6か月間にCO2排出量削減のために旅行の予約を控えたことがある人のことを「グリーントラベラー」と定義していますが、ドイツの旅行者のうち実に約22%が「グリーントラベラー」であることがわかりました。また、フランス、スペイン、英国でもグリーントラベラーの割合が高く、上位5位を占めています。

出典:Criteoの旅行者に関する調査、2019年5~6月回答者数:1万3,188人、グリーントラベラー:783人

国内外に多彩な旅行スポットがあるヨーロッパは鉄道で旅行に行きやすいこともあって、ヨーロッパや中東、アフリカでは多くの旅行者がグリーントラベルを選択しています。

2.最もグリーンなのは若い世代の旅行者

また、この調査では、特にZ世代とミレニアル世代が、従来の旅行手段を変える必要性を強く感じていることが明らかになりました。1 実際、過去6か月間に「旅行を中止した」と回答した人の62%がZ世代とミレニアル世代でした。

出典:Criteoの旅行者に関する調査、2019年5~6月回答者数:1万3,188人、グリーントラベラー:783人

Booking.comの調査によると、Z世代の54%が「旅行によって生じる環境負荷が、旅行チケットを予約する際の重要な決定要因だ」と回答しており、56%が「グリーンまたはエコフレンドリーな宿泊施設に滞在したい」と回答しています。2

今やすっかり有名人になった環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏は、旅行に飛行機を使いません。彼女の登場が何らかの兆候を表しているとすれば、2020年、旅行業者の皆さんは若い世代にエコな旅行をアピールすべく、奮闘せざるをえなくなるかもしれません。

3.グリーントラベラーは少数だが強力なグループ

グリーントラベラーは少数派ですが、大きな影響力を持っています。Mandala Researchの調査では、「エコな宿泊施設を好む旅行者の滞在期間は、他の旅行者よりも平均3日長い」との結果も出ています。3

もし御社が旅行業者で、旅行関連のロイヤルティプログラムの見直しを予定しているのであれば、気候変動に配慮する旅行者(グリーントラベラー)の支持を得るためのインセンティブを検討してみてはいかがでしょうか?CO2排出量を減らしたいと考える旅行者の数は、着実に増えています。彼らは今後、同じ意識をもつ仲間のみならず、旅行業界全体にも大きな影響を与えるようになるはずです。

旅行業界のマーケターのためのヒント

1.地球環境に配慮した旅行がトレンド

前述のBooking.comによる調査では、旅行者の87%が「エコフレンドリーな旅行の選択肢がほしい」と回答しており67%が「環境負荷を最小限に抑えられるのであれば、支出を5%増やしてもよい」と回答しています。

御社の企業規模や提供している旅行商品、ホスピタリティのレベルにかかわらず、この機会に旅行商品を見直し、「道徳心」を重視する旅行者のニーズに応える体制を整えましょう。

2.八方美人なマーケティングは失敗のもと

CO2排出量を気にかける旅行者はまだ少数派ではあるものの、着実に増加しています。ただし、一般的なアウェアネスキャンペーンでは、彼らの関心を集めることはできません。彼らの関心を惹くには、細心の注意を払ってメッセージを作成し、彼らの共感を得られる旅行商品を提案することが重要です。

Criteoが行った「購入理由(Why We Buy)」に関するアンケートでは、米国の消費者の46%、英国の消費者の51%が、自分に興味のない商品を表示する広告に否定的な印象を持っています。4また、同じくCriteoが行った旅行業界に関する調査「Why We Book(予約する理由)」では、旅行関連のロイヤルティプログラムに加入しているZ世代の旅行者はわずか25%にとどまっており、彼らにアピールするためのインセンティブには、まだまだ改善の余地があることが分かりました。5

3.グリーントラベラー対象のキャンペーンでトラフィックを獲得しよう

CRMのデータベースとcookieプールの中からグリーントラベラーを特定し、エコな旅行を好む彼らに適した広告キャンペーンを展開しましょう。

環境負荷の少ない方法で旅行をしたいと考える人が増えています。特定のオーディエンスをサイトに呼び戻すことが可能なCriteoの広告プラットフォームを活用すれば、グリーントラベラーを御社のロイヤルカスタマーに転換することも可能です。詳しくはこちらをご覧ください。

データについて

  • グリーントラベラーの定義:過去6か月間に、CO2排出量削減のために旅行を控えたことがある旅行者
  • 集計の母数:
    • 国別グラフ:過去6カ月間に1回以上、何らかの理由で(天候、政情、経済面などにより)旅行を中止した旅行者。
    • 属性別グラフ:すべての旅行者(過去6カ月以内に、プライベート目的で1回以上旅行した)。
  • 各世代の定義についてーZ世代:1994年以降生まれ(25歳未満)、ミレニアル世代:1981~1994年生まれ(25~38歳)、X世代:1965~1980年生まれ(39~54歳)、ベビーブーム世代:1946~1964年生まれ(55~73歳)、サイレント世代:1945年以前の出生(74歳以上)

出典

1 https://www.globenewswire.com/news-release/2019/01/10/1686144/0/en/CGS-Survey-Reveals-Sustainability-Is-Driving-Demand-and-Customer-Loyalty.html
2 https://www.travelagentcentral.com/running-your-business/stats-87-travelers-want-to-travel-sustainably
3 https://www.washingtonpost.com/lifestyle/travel/with-eco-friendly-travel-more-popular-than-ever-approach-green-claims-with-skepticism/2017/05/18/617cfef2-358f-11e7-b373-418f6849a004_story.html?noredirect=on
4 Criteoの「購入理由(Why We Buy)」に関するアンケート、米国、2019年2月、回答者数: 1,003人; 英国、2019年3月、回答者数: 1,020人
5Criteoの「Why We Book(予約する理由)」に関するアンケート、世界、2019年5月