2019年日本のデジタル広告市場、成長は低調?~チャンスは「アプリ」にあり!

更新日 2021年01月13日

2019年、世界の純広告費は過去最高の6,250億ドル突破へ!

大手広告代理店電通は、2019年の世界の広告費成長率は約3.8%、純広告費は過去最高を記録した昨年(6,000億ドル)をさらに上回る、6,250億ドルに達するという予測を発表しました。

堅調な成長を牽引しているのは、特にアジア太平洋地域や北米を中心とした世界的な経済成長と、デジタル広告市場の急成長です。同じく電通の調査によると、世界のデジタル広告費の成長率は、2018年が13.8%に上り、2019年は12%、2020年は10.8%と2桁成長が続くとみられています。一方、そのしわよせを受ける形で減少傾向が続いているのが、テレビ広告費です。2018年には、世界の総広告費に占めるデジタル広告費の割合は38.5%となり、初めてテレビ広告費(35.4%)を上回ったことが話題を集めました。この傾向は今後も続く見込みで、電通では2019年の世界の総広告費に占めるデジタル広告の割合は41.4%、2020年には43.8%と予測しています。

出典:電通 「世界の広告費成長率予測(2018~2020)」

2019年、日本の広告市場の成長は?

では、日本の広告市場の成長見通しはどうなっているのでしょうか?電通の調査によると、日本の広告市場は2018年に続き、2019年も1%未満の低成長が続く見通しです。2018年は災害が相次いだことなどから、消費活動が停滞しました。2019年も消費増税が予定されていることもあって、広告費予測のベースとなるマクロ経済指標が減退傾向にあることなどから、引き続き成長は鈍化するものと見られます。なお、2020年については「東京オリンピック・パラリンピックの開催もあり、広告市場の成長率は2.4%へと回復する見通し」と分析しています(同調査)。

出典:電通 「世界の広告費成長率予測(2018~2020)」

急成長を遂げるアプリ広告市場

一方、低成長が続く日本市場においても、その成長ぶりに注目を集めているのがアプリ広告市場です。アプリ市場データを提供するApp Annie(アップアニー)が2016年から2021年までのアプリ市場動向をまとめたレポート「App Annie市場予測2016-2021」によると、2016年に1兆3,000億円だったアプリの市場規模は、2021年までに6兆3,000億円に達する見込みです。背景にあるのはユーザ基盤とアプリの利用拡大。ユーザ基盤とアプリの総利用時間はそれぞれ、2016年では34億人、1兆6,000億時間であるが、2021年には63億人、3兆5,000億時間にまで増加すると予測されています。

アプリ市場の成長を支えている要素の1つが、アプリストアの普及です。同調査によると全モバイルアプリストア消費者支出額は今後、年平均18%で成長し2021年には1,390億ドルに達する見込みとのこと。現状では、アプリストア消費者支出額の過半数をゲームが占めていますが、今後はアプリ利用の広まりやマネタイズモデルの普及を背景に、動画、音楽、マッチング、教育、仕事効率化などゲーム以外の分野でのアプリ支出額が3倍に増加すると予測されています。

さらに、アプリ内広告市場の成長も顕著です。アプリ内広告への全世界支出額は2016年の720億ドルから2021年には2010億ドルに拡大する見込みで、特にアジア太平洋地域は年平均25%、東南アメリカは26%もの成長が見込まれています。

Criteoでは、急成長を続けるアプリ広告市場に本格参入すべく、アプリインストール広告ソリューションを提供するManageを2018年秋に買収いたしました。Manageは、ゲームやフードデリバリー、ライドシェアリング(相乗り・配車)など、サービス提供がアプリ経由を主軸とする分野での広告事業を得意としており、Criteoは今回の買収を通じて、アプリ広告市場での顧客基盤と事業の拡大が可能となりました。最新のアプリ広告の活用法はCRITEOスタッフにお問い合わせください。