9月の初旬、小売業界の新たなホリデーシーズン商戦の1つとして「10.10ショッピングフェスティバル」が開催されるというニュースが報じられました。小売業界の大手シンクタンクであるCoresight Researchや、ポイントアプリを提供するShopkick、そしてマーケットプレイスのFashwireが発案したこのイベントは、消費者のホリデーシーズンのショッピングを早めに始めさせ、小売業者が例年とは大きく異なる今年のホリデーシーズンを乗り切れるよう後押しすることが目的です。
パンデミックの影響で小売業界では商品供給の停滞や配送時間の遅延に対処しなければならない状況が続いているため、消費者に早めのショッピングを促すことで消費者のニーズを事前に把握し、ホリデーシーズンに向けて在庫や品揃えを確保できるようになることが期待されています。
10.10ショッピングフェスティバルとは?
このイベントの仕組みとは、どのようなものでしょうか?オンライン/実店舗での購入を問わず、買い物客がこのイベントに参加している小売業者でショッピングすると、Shopkickから「キック」と呼ばれるポイントが発行されます。キックはTargetやWalmart、Amazonといった小売店舗で利用できるギフトカードへの交換が可能です。また、Shopkickはキックを通じた売上全体の5%を、Fashwireもアプリのダウンロード1回につき0.5ドルをセントジュード小児研究病院に寄付することになっています。
ホリデーシーズンに関するBloombergの記事によると、このイベントへの参加に手を挙げた小売業者は現在約20社に上っており、Fashwireは彼らと提携するブランドにも参加を呼びかけています。
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10.10ショッピングフェスティバルは、中国のAlibabaグループが仕掛けた11月11日の「独身の日」をモデルとしています。独身生活の日常を祝う日として始まったこのイベントは、今や世界でも最大規模のショッピングイベントへと成長しました。Criteoのデータによると、主要市場における昨年の「独身の日」の期間中のオンライン小売販売は、アジア太平洋地域全体で477%増を記録しています。
今年のブラックフライデーを先導する10.10ショッピングフェスティバルとAmazonプライムデー
10.10ショッピングフェスティバルが、独身の日の半分でも消費者にインパクトを与えることができれば、消費者と参加企業の双方にとって大きな成功と言えます。さらに今年はAmazonプライムデーが10月に開催予定とされていることから、同時期に独自のプロモーションを実施する小売業者にも大きなハロー効果がもたらされるかもしれません。
Criteoの分析によると、2019年のAmazonプライムデー期間中にお買い得セールを実施した米国のクライアント企業は、6月1日~28日の期間と比較して平均59%の売上増を記録しています。Criteoのデータからは、小売業者の多くがセールを1日のみに限定し、イベントに参加した小売企業も全体の約40%にとどまっていることが明らかになっており、未だに大きなチャンスが残されています。*
多少なりとも、10.10ショッピングフェスティバルは今年のホリデーシーズンを活気づけることになるのでしょうか?現時点で確かなことは言えませんが、もし10.10ショッピングフェスティバルがホリデーシーズンのショッピング商戦にはずみをつけることができれば、ブラックフライデーに取って代わる新たなトレンドとなるかもしれません。
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*Criteoのデータ、米国、Amazonプライムデー開催期間にプロモーションを実施する小売業者、2019年6月1日~28日と2019年7月の比較。