コロナ禍も2年を過ぎ、すっかりwithコロナの生活に慣れてきた感のある今日この頃。昨年は店頭から姿を消すほど売れたマスクや消毒液などの衛生用品も、普通に買えるようになりました。では、今年はどんなものが売れているのでしょうか?株式会社インテージが行った発表した「2021年、上半期売れたものランキング」の結果を見ていきましょう。
売れたものランキング1位は「麦芽飲料」
出典:株式会社インテージプレスリリース
同ランキングによると、2021年の上半期に売れたもの第1位は「ミロ」に代表される麦芽飲料。ミロは1970年代から売られているおなじみの商品ですが、ここにきてSNSなどで麦芽飲料が体力増強や貧血に良いことが話題となり、人気が急上昇。一時は品薄状態に陥るほどのヒット商品に躍り出ました。推定販売金額は前年比208%も伸びています。ランキング2位は、プロテイン粉末。プロテインというと「筋トレをしている人の飲み物」・・・という印象がありますが、今年は女性の間で「低脂質・高たんぱくで美容や健康に良い」と人気が急上昇し、市場規模が2倍に急拡大しました。
アニメ関連のお菓子、セルフケアアイテム
3位には「玩具メーカー菓子」がランクイン。大ヒットしたアニメ「鬼滅の刃」関連のお菓子を中心にヒット商品が出たこともあり、好調な売れ行きを維持しています。4位には、血圧計がランクイン。外出自粛の影響で、病院や公共施設などに設置されていた血圧計を使えなくなった人の需要が伸びていると考えられています。5位にランクインしたのはヘアトリートメント。外出自粛で美容院に行く回数が減った分、家でのお手入れを充実させようとする人の「巣ごもり美容」の需要が増えたものと考えられます。
昨年落ち込んだアイテムが復活
6位にはテーピング、12位にはサポーターがランクイン。いずれも昨年は外出や部活動の制限の影響で売り上げが落ち込んでいましたが、今年は制限が緩やかになったことを受けて、売れ行きが回復しているようです。11位のビタミンB1剤も昨年はインバウンドの落ち込みに伴って売り上げが落ちましたが、今年は在宅ワークなどで増えた腰痛や肩こりの解消に効果があることが話題になり、売り上げが回復しています。同じく、8位の鼻炎薬も売り上げが復活したアイテムの1つ。外出自粛が昨年に比べて緩やかになったこと、また花粉の量が増えたこともあって、今年は昨年比97%増となりました。
出典:株式会社インテージプレスリリース
コロナ禍を象徴するアイテムは姿を消す
ちなみに昨年上半期の同ランキングは1位がマスク、2位がうがい薬でしたが、今年は両方とも上位10位にもランクインしていません。マスク生活は今年も続いていますが、品薄になる心配がなくなって買いだめをする人が少なくなったこと、洗って繰り返し使えるマスクを使う人が増えたことで売れ行きが落ち着いてきたものと考えられます。
昨年は初めてのコロナ禍で生活が大きく変わったことによって、日用品の需要も大きく変化した1年でした。今年もその影響は残っていますが、昨年売り上げを落としたアイテムが復活しつつあることを見ると、少しずつ生活がもとに戻りつつあることが伺えます。しかし、7月8日、東京には4度目の緊急事態宣言が発令され、緊急事態宣言下での無観客でのオリンピックも開幕し、異例の夏を迎えつつあります。コロナのいまだ見えない中、今年の夏は果たして何が売れるのか。市場の動きから目が離せません。