Criteoはこのたび、世界の8,000人以上を対象に「Why We Book(予約する理由)」に関するアンケート*を実施しました。その調査結果から、現在の旅行業界の顧客ロイヤルティは複雑化していることが分かりました。ロイヤルティプログラムの登録者全体の満足度は高かったものの、得られるはずの特典やメリットを十分に享受できている、あるいはできていない登録者、また年齢層やベンダーのタイプなどにより、さまざまなギャップが見受けられました。
本ブログでは、世界の旅行業界のロイヤルティの現状について見ていきたいと思います。
旅行業界の顧客ロイヤルティは地域によって異なる
まず、世界の地域によって「ロイヤルティプログラム」や「ブランドロイヤルティ」の意味合いが異なるケースが見られました。さらに、各地域における旅行業界のロイヤルティプログラムの浸透状況は大きく異なっていました。
- ロイヤルティプログラムへの参加は米国の旅行者が最多
- 米国では、回答者の47%が少なくとも1つのロイヤルティプログラムに登録しています。一方、英国では23%、スペインでは19%にとどまっています。
- アジアの若い世代の旅行者は、プログラムの参加に意欲的
- アジア太平洋地域では、ロイヤルティプログラムは若い世代に広く浸透しています。15~34歳の回答者の84%が、ロイヤルティプログラムを気に入っていると回答しています。一方、65歳以上の世代ではその割合は79%でした。
- 欧州の年配層の旅行者は、ロイヤルティプログラムを好む
- 欧州では若い世代のロイヤルティプログラム加入率はそれほど高くありませんが(英国では15~34歳の回答者のうち、加入しているのはわずか16%)、50~64歳の回答者には広く受け入れられています(英国では89%、イタリアでは92%が加入しています)。
旅行業界の業者間の違い:航空会社、ホテル、オンライントラベルエージェント(OTA)
アジア太平洋地域、米国、英国の旅行者は、さまざまなロイヤルティプログラムに登録していますが、そのエンゲージメントの度合いもさまざまです。
- アジア太平洋地域では航空会社とOTAのロイヤルティが重要
- 28%が航空会社のロイヤルティプログラムに登録しており、17%がOTAのプログラムに登録しています(米国の8%を大きく上回っている)。
- 米国では、ホテルのロイヤルティプログラムが好まれている
- すべての地域の中で、ホテルのロイヤルティプログラムを好む傾向が高い唯一の国は米国で、24%がホテルのロイヤルティプログラムに登録していると回答しています。
- 英国では旅行業者全体でロイヤルティプログラムそのものが停滞
- 英国では特定の航空会社のロイヤルティプログラムに登録していることを理由に、その会社を利用すると回答した人は、わずか10%。同じく、特定のOTAのロイヤルティプログラムに登録していることを理由にその会社のサービスを利用すると回答したのは、わずか7%にとどまっています。
世界のZ世代がもたらすチャンス
このように、旅行関連のロイヤルティプログラムの状況は、地域によって大きく異なっています。しかし、Z世代については共通点がたくさんあります。例えば、世界中でZ世代の旅行者(15~24歳の年齢層)のかなりの割合が、2019年に旅行にかける費用を増やす予定であることがわかっています。
- 米国のZ世代の58%は、今年の旅行予算を2018年よりも増やすとしています。
- アジア太平洋地域のZ世代の49%も、今年の旅行予算を増やすとしています。
- 英国のZ世代の47%も、今年の旅行予算を増やす予定です。
今こそ、旅行業界のロイヤルティに変革を
全体的に、ターゲット地域や人口統計に関係なく、ロイヤルティプログラムを強化・再考する余地は大いにあります。変革を始めるにあたり、まずは登録者の集団(年配者/若い世代の旅行者)と、プログラム利用の動機となる要素との間のギャップを特定しましょう。その上で、彼らの心をつかむ関連性の高い特典やメリットを考えてください。
貯めたポイントを無料の宿泊/航空券に交換できるようにする、あるいはチャリティー団体に寄附したり、ポイントを合算して友達とのグループ旅行に利用できるようにするなど、さまざまなアイデアが考えられますが、1つだけ明確なことがあります。それは、旅行業界のロイヤルティプログラムは、そろそろ見直しが必要になっているということです。
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*出典:Why We Book(予約する理由)、Criteoの旅行業界に関する調査、2019年5月~6月、回答者数 8154人