中央卸売市場の取扱数、前年比18%増
コロナ禍が長引く中、すっかり「ニューノーマルな」生活に慣れてきた私たち。在宅ワークが当たり前になり、外食や旅行も自粛モードが続いているので、必然的に自宅で過ごす時間が増えたという人も多いのではないでしょうか。そんな生活環境の変化を受けて、必然的に「売れるもの」も変化しています。
中でも目立っているのが、室内で楽しむ観葉植物の需要増。東京都中央卸売市場の統計情報によると、2020年6月~2021年5月の中央卸売市場の観葉植物の取扱数量(販売実績)は719万鉢で、前年同時期に比べ18%も伸びています。
観葉植物を含む植物全体への需要も増えており、第一園芸株式会社が2021年7月~8月に行った調査でも、全体の約7割が「植物が欲しい」と回答、「すぐに欲しい」「1年以内に欲しい」と回答した人も約3割に上り、観葉植物の購入意欲が非常に高くなっていることが見て取れます。年代、性別で見ると、最も購入意欲が強いのは、20代の女性でした。
植物の購入意欲 出典:第一園芸プレスリリース
また、同調査で「興味のある植物」について聞いたところ、「観葉植物」が63%と最も多く、2位の「野菜」(36%)、3位の「サボテン」(33%)を大きく引き離しており、観葉植物の人気ぶりをうかがい知ることができます。
興味がある植物は?出典:第一園芸プレスリリース
観葉植物に求めるのは「癒し」
また、すでに観葉植物をもっている人にいつから自宅に観葉植物があるかを聞いたところ、1年以内が2割弱、2年以内が1割弱と回答、全体の3割弱がコロナ禍に入ってから観葉植物を育て始めたことが明らかに。居住形態別にみると、観葉植物を育てている人のうち賃貸住宅(一戸建て・マンションほか)に住む人の4~5割がコロナ禍以降に育て始めており、全体平均より1~2割高い結果となりました。第一園芸では「在宅時間が増えたことで居住空間を見直す時間が生まれ、観葉植物への興味が高まった」と推測しています。
では、人々は何を求めて観葉植物を購入しているのでしょうか?
同調査で、コロナ禍に観葉植物を育て始めた理由を聞いたところ、50%が「インテリアとして自分で購入した」、47%が「癒されたいので自分で購入した」と回答。これまで引っ越しや開店のお祝いに贈るイメージが強かった観葉植物を、自分の癒しのために、「自分で」、購入している人が多いことがわかります。
観葉植物を育て始めた理由は?出典:第一園芸プレスリリース
では、癒しを求めて入手した観葉植物の効果は、実際にはどうだったのでしょうか?
同調査で観葉植物がもたらす効果について聞いたところ、「リラックス効果」を感じている人は2割、空気清浄効果を「実感がある」は6割、加湿効果については4割の人が知らないと回答しました。観葉植物を入手した理由別に見ると、「コロナ禍でおうち時間が増えたので自分で購入した」と回答した人はリラックス効果を実感している割合が高く、全体の約4割が「リラックス効果を実感している」と回答しています。
入手理由別 実感のあった効果出典:第一園芸プレスリリース
広がる観葉植物市場~サブスクも相次いで登場
癒し効果が期待できる観葉植物ですが、長く美しさを楽しむには水やりや肥料の補給といったケアが欠かせません。「自分では世話ができなくて、すぐに枯らしてしまいそう」という不安から購入を躊躇している人もいるのではないでしょうか。もしくは、「ずっと部屋に置いていると飽きてしまいそう」と思っている人もいるはず。
そんな人たちをターゲットにした観葉植物のサブスクリプションサービスも次々に登場しています。サービス内容は業者ごとに異なりますが、いずれのサービスも「観葉植物が自宅まで配送され、定期的に交換してもらえる」というもの。これなら、いろいろな種類の観葉植物を気軽に楽しめる上に、本格的なケアを自分でする必要もありません。
たとえば株式会社ユニバーサル園芸者が運営する観葉植物のサブスクリプションサービス「CARENN」は、月額1400円から利用できるリーズナブルさが魅力。会員登録すると毎月送料無料で鉢植えの観葉植物が自宅に届き、必要に応じてオンラインメンテナンス相談を受けることもできます。自宅用に購入する前に観葉植物の扱いに慣れるために利用してみても良いかもしれません。
新型コロナウイルスの感染拡大がなかなか収束しない中、もうしばらくは自粛モードな生活が続きそうです。何かとストレスもたまりがちですが、観葉植物やインテリアでおうちの環境を整え、前向きな気持ちで暮らしていきたいですね!