スマホの利用時間は平均886分/週
新型コロナウイルスによる外出自粛で、自宅での「おうち時間」が増えた方も多いのではないでしょうか。一人時間の相棒と言えば、スマートフォン。単に電話やメールのやり取りをするだけでなく、買い物やゲーム、動画の視聴やSNSへの投稿、インターネットの閲覧など、私たちがスマートフォンで過ごす時間は年々増加傾向にあります。
ICT市場調査コンサルティングを手掛けるMM総研が2020年12月に行った調査によると、1週間あたりのスマートフォンの平均利用時間は886分。1週間の利用時間を用途別に分析したところ、「インターネット検索・情報収集」が最も多く201.5分(22.9%)を占め、次いで「SNS」126.9分(14.4%)、「動画視聴」106.9分(12.2%)、「メール・メッセージの送受信」91.8分(10.5%)、「ゲーム」84.1分(9.6%)、「オンラインショッピング」47.1分(5.4%)「音楽視聴」45分(5.1%)と続きました。この中でも、「動画視聴」は前回の調査から大きく利用時間を延ばし、1週間当たりの利用時間はMNO3社(docomo、softbank、au)で15.6分、サブブランドでは66.3分、MVNO(格安SIMサービス各社)では34分それぞれ増加。外出自粛などで増えた一人時間を、動画視聴に費やすようになった人が多いことがよくわかります。
月額利用料金の平均は6,738円
動画を視聴する時間が増えると、気になるのがデータ通信量の消費です。ついつい動画を見過ぎて、契約中のプランに含まれる定額分を消費してしまい、追加料金がかかってしまった・・という人も多いのではないでしょうか。一般的には1GBで動画120分が視聴可能ということになっているので、ドラマを数回見ると1GBが消費されてしまう計算になります。では、動画の視聴を楽しむ人が増えている昨今、スマホユーザーは毎月どのくらいのデータ通信量を消費しているのでしょうか?
同じくMM総研が行った調査によると、毎月のデータ通信量について「わからない」と答えたユーザーを除いた平均データ通信量は7.56GB(ギガバイト)、中央値は3.00GBとなりました。有効回答のみを対象とした場合、月間通信量は「1GB」31.4%、「2GB」15%、「3GB」13.7%となり、約60%強のユーザーが毎月3GB以下の通信量で生活していることがわかりました。
スマートフォンの月間モバイルデータ通信量(GB)/出典:MM総研プレスリリース
また、同調査で携帯電話の月額利用料金について、端末代金の分割支払い分を含まない実際の支払総額を分析した結果、スマートフォン利用者の平均月額利用料金は5,334円でした。
動画やゲームなどデータ通信量を消費するコンテンツを利用する時間が増えているわりには、通信量・利用料金共に、あまり多くないと思った方も多いのではないでしょうか?
その疑問を解くカギは「Wi-Fi」の使用量にあります。同調査でスマートフォン利用における月間の平均Wi-Fiデータ通信量を分析したところ、Androidユーザーでは15.5GB、iPhoneユーザーでは19.8GBとなりました。ユーザー全体の平均は17.4GBで、月間モバイルデータ通信量の平均と合わせると月間通信量は約25GBに。データ通信量の構成比としてはモバイルデータ通信量30.2%に対し、Wi-Fi通信量は69.8%となっています。このことから、データ通信量を大きく消費する動画視聴やアプリ更新の際にはモバイルデータ通信ではなく、Wi-Fiに切り替えているユーザーの姿が浮き彫りになりました。
逆にいうと、動画などの通信量を消費するコンテンツの視聴には安定したWi-Fi環境のある場所を選んでいるということになります。
NTTdocomoのahamoをはじめ携帯キャリア各社が低価格プランを相次いで発表する中、「毎月のスマホ料金を低く抑えたい」という消費者心理はますます強くなっていくものとみられます。引き続き外出自粛ムードが続く中、今後はWi-Fi環境のある場所でスマホに動画などのコンテンツをダウンロードして楽しめるサブスクリプション型の動画サービス(Hulu、NETFLIXなど)、もしくは指定されたサービスを利用する時だけデータ通信量を増やさない「カウントフリーオプション」のついた通信回線プランなどに、ますます注目が集まりそうです。
出典:MM総研プレスリリース