令和最初の夏休み、みんなはどう過ごす?

雨が多く、気温低めの日々が続いた今年の初夏。本格的な夏がやってくるのはこれからになりそうですが、そうなると俄然気になるのは夏休みの過ごし方。令和最初の夏休み、皆さんはどんな予定を立てているのでしょうか?まずは、夏休みの予定についてのアンケート結果を見てみましょう。

夏休み「5日以内」が約6

株式会社日本マーケティングリサーチ機構が日本国内の810人を対象に行ったアンケートによると、今年、夏休みがあると回答した人は全体の72%に当たる580人。日数については、59%の474名が5日以内の休みと回答しました。一方、「夏休みは、理想として何日くらい取得したいですか?」という質問には、74%の598名が「7日以上の夏休みを取りたい」と回答、「もっと休みたい」と思いつつも、なかなか長期休暇を取れない事情が伺えます。

出典:株式会社日本マーケティングリサーチ機構プレスリリース

夏休み中、遠出と多額の出費は控える傾向に

続いて、夏休みの過ごし方についての質問では、「家でゆっくり過ごす」「近場のお出かけ」など、遠出をせずに過ごすと回答した人が全体の47%を占めました。例年になく長かったGWで年間のレジャー費の大半を使ったというケースも多いのか、はたまた「老後には年金+2,000万円が必要」という金融庁の報告が話題になったことにより経済的不安が高まっているからか、今年の夏休みは多額の費用がかかる海外旅行などの遠出を控えて、普段の休日と同じように、近場で遊んだり美味しいものを食べたりして過ごす予定の人が多いようです。

出典:株式会社日本マーケティングリサーチ機構プレスリリース

夏休み、人気の旅行先はどこ?

では、夏休みに旅行を計画している人たちには、どんな傾向が見られるのでしょうか?大手旅行会社JTBが今年6月に事前調査2万人、本調査1030人を対象に行った調査の結果を見てみましょう。

まず、比較的景気の影響を受けにくいとされている海外旅行について。今年の夏海外旅行を予定している人の数は299万人(前年比+3.5%)、一人あたりの旅行平均費用は227,700円(前年比+6.2%)とまずまず好調に推移しています。JTBの海外旅行の予約状況によると、旅行先の人気ランキングは1位がハワイ、2位はグアム・サイパン、3位が韓国、続いて4位台湾、5位シンガポールと、比較的短期間で気軽に行けるアジア・オセアニアが人気に。予約伸び率を見ると、関空-ロンドン線が就航したイギリスや、グローバルデスティネーションキャンペーンを実施しているハワイが好調だということです。

出典:JTBプレスリリース

一方の国内旅行人数は、景気の先行きの不透明感、消費増税への備えなどから人数は7,435万人(前年比▲0.2%)と前年から微減が予測されるものの、全体的には、国内旅行では家族連れの動きがよく、費用は前年比4.0%増の36,200円と推計されています。国内旅行の目的を見てみると(表8)、「帰省、離れて住む家族と過ごす」が最も割合の高い19.5%ですが、前年から2.0ポイント減少。「温泉でゆっくりする」は18.0%(同+4.8ポイント)に上りました。利用宿泊施設は「ホテル」が48.8%(同+2.8ポイント)で、「旅館」は28.6%となった一方、「実家・知人宅」は前年より4.1ポイント減少しています。また、利用交通機関では、「乗用車」、「レンタカー」が増加し、「鉄道」や「航空機」は減少となりました。家族連れが多いものの(表7)、宿泊施設では「実家・知人宅」(表9)が減少し、ホテルの人気が上昇していることから、「節約したい」気持ちはある一方で、「少し費用はかかっても夏の旅行を楽しみたい」というやや矛盾した意向が伺えます。

なお、「旅行先」では、甲信越(11.4%)、沖縄(2.8%)が前年より増加傾向に。また、「今年の夏休みで気になっている場所」を聞いたところ、夏休みらしく「花火大会」、「動物園や水族館」など若者やファミリーが行きやすい場所が人気となっており、若年層やファミリー層の旅行意欲の高まりを見て取ることができます。

出典:JTBプレスリリース

消費増税の影響は?

若い世代の旅行意欲の高まりの背景としては、この世代の所得状況が安定傾向にあることが考えられます。JTBが行った調査では、収入に関して「昨年より収入が増えた」と回答した人は19.6%と前年より減少したものの、「昨年より収入が減った」と回答した人は21.1%で前年比2.3ポイント増加しています。

また、ボーナスに関しては、「今年の夏はボーナスが減りそうだ」と回答した人は7.2%で前年より増加したものの、性別・年齢別にみると男性20~30代、女性20代は「収入が増えた」、「ボーナスが増えた」がそれぞれ「減った」を上回っており、若い世代の所得状況は比較的よい傾向にあることがわかりました。なお、支出に関しては「先行きがわからないので大きな支出は控えておきたい」は23.7%で前年比3.5ポイント減少、「物価上昇前に大きな買い物をしたい」は8.0%でしたが前年より2.4ポイント増加しています。「大きな支出をするなら、消費増税やそれに伴う物価上昇前に・・・」と考えている人が増えていることが浮き彫りになりました。

この傾向が、消費増税後どのようになるのか、たとえば年末年始の旅行予約傾向にどのような影響を与えるのか、注意深く推移を見守る必要がありそうです。