中国のネット通販最大手「アリババ」による、中国最大のオンラインセール「独身の日セール」が今年も「独身の日」(11月11日)に行われ、アリババの売上は前年比なんと+86%、過去最高の4982億元(7兆9200億円)を突破したことが明らかになりました。アリババに次ぐ大手ECサイトのJDドットコム(京東商城、JD.com)も11月1日~11日に行った独身の日セールで2715億元(4兆3000億円)を売り上げており、業界1位と2位の2社のみで、12兆円を超える売り上げを叩き出したことになります。
今年の独身の日、売れたのは何?
今年、独身の日セールには、こちらも過去最高の25万以上のブランドと500万以上の業者が参戦、それぞれ目玉商品を用意して決戦に臨みました。では、今年の独身の日、売り上げを牽引したのはどの分野の商品なのでしょうか?
アリババグループによると、今年の独身の日の売り上げランキングは1位が栄養サプリメント、2位が美容機器、3位が乳幼児用粉ミルク、4位がフェイシャルマスク、5位がスキンケアセットという結果に。新型コロナウイルスの影響で海外旅行に行けない消費者が日本をはじめとした海外からの輸入品をまとめ買いする傾向が強く表れています。日本経済新聞によると、日本製の商品でよく売れたのは、例年と同じく化粧品や食料品。さらに今年は新型コロナウイルスの影響で健康志向の消費者が増えたこともあり、医薬品も大きく売り上げを伸ばしたということです。
ライブストリームによる販売が話題に
今年の独身の日セールで話題を集めたのが、インフルエンサーや企業のライブストリームによる商品販売です。中国では人気インフルエンサーや企業担当者の生解説を聞き、その場で質問したり購入したりできるライブストリームが大人気で、今回の独身の日でも、国内外の多くの企業が独身の日のための番組配信を行いました。アリババによると、ライブストリームによる売上高トップ10には、ファーウェイ(HUAWEI)、シャオミ(XIAOMI)、ハイアール(HAIER)、スニンディエンチー(蘇寧電器、SUNING)などの大手家電製品、エスティローダーやランコム、ロレアルなど大手化粧品会社も3社ランクインしました。今年は資生堂やイオンモールをはじめ日本企業でもライブストリームを配信する企業が増加。アリババでは今後、アリババのマーケットプレイスの取引の3分の1をライブストリームによる取引が占めることになるだろうと予測しています。
勝利の秘訣は、大規模なセールスイベントへの便乗
中国ではすでに小売に占めるECの割合が20%を超えていますが、この傾向は新型コロナウイルスの影響で加速しています。今年の独身の日の盛況ぶりは、旅行や観光、外食に行けなくなったことで浮いた生活資金がECでの買い物に流れていることが顕著に表れた結果であると見られています。今年はアリババの独身の日セールに便乗して多くのECサイトがセールを開催、いわゆる「ハロー効果」で売り上げを伸ばすサイトが相次ぎました。Amazonのプライムデーやオーストラリアのクリックフレンジーのセールでも同様の効果が指摘されており、大規模なセールスイベントへの便乗は多くのEC業者にとって1大ビジネスチャンスでもあります。独身の日の熱狂が来年も続くかどうかはわかりませんが、中国市場での認知度を高め、売り上げを獲得するにあたって、これほどのチャンスはありません。来年の独身の日に便乗するには何をすればいいのか?ぜひCriteoにご相談ください。
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