七五三、2020年は67%が一部行事を自粛
今年も七五三の季節がやってきました。七五三は子供の健やかな健康を祈って行われる日本独自の行事で、毎年11月15日前後に3歳と5歳の男の子、3歳と7歳の女の子がいる家庭で祝われます。お祝いの方法に特にルールはありませんが、「子どもに着物を着せて、神社を参詣して記念写真を撮り、親しい親族が集まってお食事会」というパターンが一般的です。レンタル衣装に神社への初穂料(祈祷料)、記念写真の撮影料、親族のお食事費・・・と、何かとお金のかかる行事であり、その分、一定のマーケットを持っています。ROLLCAKE株式会社が行った調査では、2020年に行った調査では、七五三のお祝いにかける費用の平均予算は3万2826円。最も予算が多かったのは7歳の女の子で平均3万4437円でした。
他の年中行事と同様、2020年は七五三も、新型コロナウイルスの影響を大きく受けました。同調査によると2020年にコロナの影響で自粛した七五三の行事があるかどうかを聞いたところ、「ある」と答えた人は66.7%に。自粛した行事として最も多かったのが「両親・親族を交えたお食事会」で19.7%、次いで「ママ友とのお食事会」「プロカメラマンによる写真館での撮影」(ともに13.6%)でした。
子どもの着付けや神社での写真撮影(自己撮影)を自粛した人は少なかったことから、同居家族だけでシンプルにお祝いを済ませた世帯が多かったことが見て取れます。
オンラインギフトが好調
長引くコロナ禍で、七五三だけでなく、結婚式や誕生日会、祝賀会など様々なお祝いイベントの自粛が余儀なくされていますが、その一方で、意外にも堅調を保っているのがギフト市場です。株式会社ギフトモール オンラインギフト総研が全国の男女2400人を対象に行った調査で、コロナ禍前後でギフト購入回数に変化があったかどうかを聞いたところ、「変わらない」と答えた人が最も多く(59%)、「増えた」と答えた人(23%)が「減った」(18%)を上回りました。皆で集まり、「場」を共有してのお祝いができなくなった分、ギフトを贈り合うことでお祝いの気持ちを伝え合う人たちが増えているのかもしれません。
ギフト市場の中でも特に伸びているのが、オンラインギフト市場です。同調査で2020年3月から2021年2月までの間に購入したギフトは、どこで購入したものかを聞いたところ、最も多かったのが「(ギフト専門以外の)ECサイト」で41%、「ギフト専門のECサイト」と答えた人(22%)と、オンラインでギフトを購入した人が全体の63%に上ることがわかりました。一方、「購入機会が減った」と回答したのが最も多かったのは「デパートや百貨店の店舗」で全体の42%を占めました。
七五三の記念品やお祝儀の返礼品としてギフトをオンラインで買い求める人も増えており、各百貨店のギフトサイトには、七五三内祝い用のギフトセットも数多く取り揃えられています。子供の名前の焼き印を入れられるカステラやどら焼きなど、オリジナリティを加えて、お祝い気分を盛り上げる商品も登場しています。
七五三以降、ブラックフライデー(11月の第4木曜日)を経て、いよいよ年末のホリデーシーズンが始まります2021年。10月現在、緊急事態宣言は解除されているので、去年に比べれば実店舗で購入したギフトを実際に会って渡せるチャンスは多いかもしれませんが、コロナを機にこれまでにないほど多くの人がオンラインショッピングを経験したこと、送料無料などのオンライン特典がますます充実していることなどを鑑みると、今年も「オンラインで買って贈る」お祝いのスタイルが支持を集め続けることは間違いなさそうです。