まさに「猛暑」という言葉がぴったりの、今年の夏。各地で連日35度を超える高温が続き、体調を崩したり熱中症を発症したりする人が続出しています。東京23区でも8月1日~6日までの間に男女39名が熱中症により死亡するなど、深刻な状況に。熱中症は老若男女、だれにでも発症する可能性があります。「このくらいなら、大丈夫」「私は暑さに強いから」という過信から熱中症を発症してしまうケースも多く、倒れるまで自分が熱中症になっていることに気づかない人もよく見られるそうです。また、加齢とともに寒暖差を感じる力が弱まるため、室温の上昇に気づかないまま室内で熱中症にかかってしまう高齢者も少なくありません。そう、熱中症の予防には「感覚」は、それほど有効ではないのです。
そこで、最近では「感覚」に頼らず、IoTを活用して熱中症を予防しようという動きが加速しています。今回のブログでは、IoTを使った熱中症予防サービスをいくつかピックアップしてご紹介しましょう。
1. みまもりがじゅ丸(株式会社NTTPCコミュニケーションズ)
脈拍数を計測できるリストバンド型のセンサー。身につけている人の脈拍の変化をいち早くキャッチし、体調の変化をリアルタイムで把握できるすぐれものです。リストバンドはBluetoothで管理者のスマートフォンと連携しており、計測した脈拍数のデータはスマートフォンを経由して常時クラウドに蓄積。クラウドが脈拍数の異常(脈拍数が上限値や下限値に到達した場合など)を検知すると、管理者に通知される仕組みです。1台のスマートフォンで複数のリストバンドを管理できるため、工事現場や介護施設など、複数の人の体調監視が必要な場面で多く採用されています。詳しくはこちら。
「みまもりがじゅ丸」の利用イメージ 出典:株式会社NTTPCコミュニケーションズプレスリリース
2. Link Gates(ミサワホーム)
ミサワホームが提供するLink Gatesは、住まいのさまざまな電子機器をネットワークにつなぎ、一歩先の暮らしを実現する「IoTライフサービス」の総称。このうち「熱中症アラート」は、室内に住宅内に設置した温湿度センサーを使用して、室内の温度と湿度を管理できるサービス。熱中症になる危険性があると、手元のスマートフォンに警戒情報が送信され、どの部屋で熱中症の危険があるのかをいち早く知ることができます。留守番中の子どもたちや高齢者の見守り、遠くに離れて暮らす高齢の両親の見守りに便利です。
出典:ミサワホームニュースリリース
3. LoRaWAN (大阪府吹田市とNTT西日本、NTTフィールドテクノ、フジクラ)
学校や幼稚園など子どもたちが多くの時間を過ごす教育施設も、熱中症が起こりやすい場所です。子どもたちの安全は絶対に守りたいものの、広い敷地のあちこちで活動する子どもたちの状態を常時、教職員の力だけで監視するのは容易なことではありません。特にグラウンドや体育館での授業中や部活動中の熱中症の予防は、学校にとって大きな課題となっています。そこで、大阪府吹田市とNTT西日本、NTTフィールドテクノ、フジクラは、2019年7月末~9月末までの2ヶ月間、IoTを使った熱中症予防の実証実験を、2019年7月末~9月末までの予定で、吹田市内の中学校で行っています。
出典:NTT西日本ニュースリリース
いかがでしたか?個人レベルで使えるものから、職場や施設全体で使うのに適したものまで、さまざまなサービスが登場しているのが、おわかりいただけたと思います。室内で働くマーケターやエンジニアにも決して他人事ではない熱中症。もちろん適切な水分・塩分の補給が原則ですが、ご自身やご家族、職場の安全を守るために、ぜひIoTの力を活用してみてください。