動画マーケティング戦略に取り組んでいるマーケターの皆さん、進捗状況はいかがですか?マーケターなら誰でも基本的には動画の重要性を理解しているはずですし、すでに定期的に動画をアップしているマーケターもいるでしょう。しかし、動画戦略について明確な意図や目的を自覚しているマーケターは、まだ決して多くありません。
とはいえ、動画を活用したマーケティング活動がますます活発になっているのは、まぎれもない事実です。人々がオンライン上で過ごす時間のうち、実に3分の1は動画の視聴に費やされています。もちろん、動画の視聴者が増えれば、広告収益のチャンスも増加します。Wyzowlが行ったによれば、マーケティングツールとして動画を利用する企業は2017年には全体の63%でしたが、2018年には81%にまで上昇しています。また、ユーザの81%が「ブランドの動画を視聴した後に、その商品・サービスの購入を決めたことがある」と回答しています。
しかし、単に動画を制作して流すだけでは、意味がありません。エンゲージメントと業績の向上につながる動画マーケティング戦略を策定・実践するためには、何が必要なのでしょうか?
本ブログでは、そのためのステップをご紹介していきます。
1. オーディエンスを的確に理解し、キャンペーン目標を設定する
マーケティングキャンペーンで成功を収めるためには、キャンペーンを開始する前段階での調査が極めて重要となります。まずターゲティングの対象となるのは、どのような人たちなのでしょうか?彼らの心を確実につかむためのコンテンツは、どのような種類のコンテンツなのでしょうか?彼らは普段どのチャネルを好んで利用しているのでしょうか?魅力的な動画コンテンツを作成し、広告費を投じて配信したとしても、そのチャネルにターゲットとするオーディエンスがいなくては元も子もありません。
動画マーケティングキャンペーンを行うにあたって何よりも重要なのは、達成したいゴールを明確にすることです。向上したいのはアウェアネですか、売上ですか、トラフィックですか?それとも、これらすべてでしょうか?動画を利用して買い物客と効果的につながるためには、適切なトーンやメッセージを用いる必要があります。そのためには事前に消費者に関するインサイトを集め、作成する動画の種類を決めて確保すべき予算の規模を把握しておくことが重要です。
2. ブランディングとメッセージの一貫性を保つ
動画は他のマーケティングとは違った新しい手法、あるいはブランドイメージ刷新の手段と見なされがちですが、動画には優れたコンテンツによって視聴者を魅了すると同時に、発信元であるブランドの存在やメッセージを伝えるという重要な役割があることも忘れてはいけません。
McKinsey and Companyによる調査では、ブランディングに一貫性のある企業はそうでない企業と比較して、成功する可能性が20%増加するという結果が報告されています。たとえば、動画をYouTubeやSNSのチャネルで公開した場合、企業はそれらを自社のウェブサイトやランディングページにリンクし、各チャネルで一貫性のあるクリエイティブやメッセージングを使用する必要があります。各チャネルに一貫性がなく、ユーザが「EメールとFacebookでブランドメッセージが違う」と違和感を覚えてしまうようなことがあれば、販売の促進につながるどころか、逆にブランドのイメージを低下させる結果となってしまいます。
3. 適切な予算を見極める
大規模な予算をつぎ込みさえすれば、動画プロジェクトは大成功を収めることができる―。そう思っているマーケターは多いものです。しかし、これは大きな誤解です。もっとも、広範なリーチを目的とするキャンペーンの場合は、予算を十分に確保できなければメッセージが十分に伝わらず、クオリティも低下するため、ブランドイメージを傷つけてしまうことがあります。
動画コンテンツを実際に作成することになった場合、キャンペーンの目標にあわせて、予算を有効活用するようにしましょう。たとえば、ミレニアル世代やZ世代の買い物客を対象にするのであれば、動画の制作に高額な予算を投じないで済むかもしれません。
それよりも、Snapchat、Twitter、InstagramなどのSNSチャネル向けに短い動画を制作する、あるいはユーザ生成コンテンツの利用を工夫した方がよいかもしれません。大規模な予算があり、ブランドアウェアネスを最大限に高めたい場合は、ストーリー性のあるハリウッド調の動画を検討してもよいでしょう(有名人やセレブの起用も1つの選択肢です)。
動画にインフルエンサーを起用する場合、必ずしもそれがビッグネームのセレブである必要はありません。プロジェクトを予算内に収めるためには、業界の専門家やリーチの対象となるオーディエンスとすでにつながっている人気ユーチューバーなどの起用も選択肢に入れましょう。ただし、その人物がブランドにふさわしい人物であるかどうかは慎重に検討する必要があります。彼らのSNS上のプロフィールや評価、自身のチャンネルやプラットフォームで取り上げている話題について十分に下調べし、ブランドや商品の価値の低下につながるようなリスクは避けなければなりません。
4. 動画とターゲットをチャネルごとに最適化する
キャンペーンを展開するチャネルに応じて動画を最適化すれば、エンゲージメントの最大化を図ることができます。たとえば、Facebookでは短い動画をチャネルに直接アップロードし、字幕を付けておくと効果的です。YouTubeの場合は、動画を公開してから2週間後に動画を再調整し、ターゲットオーディエンスを再定義する必要があります。
また、Twitterではターゲティングの微調整(興味・関心、キーワード、デバイスなど)が必要となりますが、過度な調整に注意しながら、ハイパフォーマンスなキャンペーンを容易に把握できるようにしておく必要があります。
5. テストを繰り返す
ディスプレイ広告のキャンペーンと同様、A/Bテストを使うと、動画キャンペーンに効果的な要素とそうでない要素を比較することができます。思うようなキャンペーン効果が得られない場合、問題はクリエイティブではなく、メッセージにあるのかもしれません。もしくは、広告を出す時間帯やチャネルそのものの再検討が必要な場合もあります。また、動画が長すぎる/短すぎるということも考えられるでしょう。問題が何であれ、テストを繰り返すことによって、キャンペーンに最適なコンテンツや配信のタイミングを見極めることができます。
ここでは、キャンペーンの成功を測定するための5つの指標をご紹介します。
a. エンゲージメント率
動画に対する反応を測定したのが、エンゲージメント率です。ユーザが動画を視聴したのは、どれくらいの時間でしょうか?ユーザの中には動画を最後まで視聴した人もいれば、途中で観るのをやめた人、あるいはほとんど観ずにスキップした人もいるはずです。エンゲージメント率は、メッセージやクリエイティブの質、動画の長さが適切かどうかを把握するのに役立ちます。
b. 再生回数
動画の視聴回数は、チャネルによってその測定方法が異なります。たとえばYouTubeでは30秒の再生で1回ですが、Facebookではわずか3秒の再生でも1回とカウントされます。そのため、ユーザの反応を正しく理解するためには、各プラットフォームの再生回数の測定方法を理解しておく必要があります。また、各プラットフォームで提供されるインサイトツールを使いこなして、エンゲージメントの獲得数の把握と、キャンペーンやコンテンツの今後の改善に役立てましょう。
c. 再生率
再生率は、ユーザが実際に「再生」ボタンをクリックして動画を視聴したサイト訪問者の数を表します。再生率からは、各ウェブサイトやSNSのフィードでの動画広告の効果を知ることができます。たとえば、New York Timesであまり再生されなかった動画は、もしかしたらSlateでは頻繁に再生されるかもしれません。ここから読み取れるのは、異なるオーディエンスがもたらす効果の変化です。また、動画のサムネイル画像やコピー、サイズなども再生率に影響を及ぼすことがわかっています。
d. SNSでのシェア
SNSで動画がシェアされた回数にも注目しましょう。ユーザは自分が興味のないコンテンツを、他人にシェアすることはありません。つまり、頻繁にシェアされる動画コンテンツには、それだけ多くのユーザからの反響があるということです。
e. コメント/フィードバック
コメントやフィードバックは、厳密には「指標」に当てはまるものではないのかもしれません。しかし、あらゆるキャンペーンで注意を払うべき重要な要素の1つであることは間違いありません。ユーザがSNS上で動画についてコメントした場合、それが肯定的であるか否定的であるかを問わず、いずれのコメントも今後の検討材料として十分価値があります。残したコメントがどのようなものであれ、動画を視聴してコメントに時間を割いてくれたユーザは顧客であるかどうかにかかわらず、すくなくとも現段階でブランドのことを知っているユーザであり、将来的に顧客化できる可能性の高いユーザと言うことができます。
6. 動画マーケティング攻略のための最後のカギ
優れた動画をアップするだけでは、動画マーケティングキャンペーンの効果は限定的です。動画をアップして、さらに動画リターゲティングを活用すれば、より幅広いチャネルの買い物客にリーチできるようになります。しかし、エンゲージメント効果に優れた動画フォーマットを使って、関連性の高いパーソナライズされた商品レコメンドを膨大な数のオーディエンスに提示できるリターゲティングの手法は、これまで存在しませんでした。
この課題を解消するのが、Criteoダイナミックリターゲティングです。Criteoダイナミックリターゲティングを使えば、各ユーザの行動や購買意欲に関するデータをもとに魅力的な動画広告を配信するとともに、CriteoのDCO+のテクノロジーで動画広告をリアルタイムにパーソナライズし、ユーザ1人ひとりにあわせて最適化されたクリエイティブを使って関連性の高いオファーを提示することができます。