前回に引き続き、2017年第4四半期のCriteoグローバル コマース調査レポートから見えてきた最新のモバイルトレンドについてご紹介します。今回、注目するのは「オムニチャネルの消費者」について。オンラインとオフラインを自在に使い分け、あらゆるチャネルでショッピングをする消費者の存在は、売り上げにどのような影響を及ぼしているのでしょうか?
■購買意欲はデバイス単位でなく、ユーザ単位で計測を
まずは、最近の消費者がショッピングの際に複数のデバイスを使っていることを物語るデータをご紹介しましょう。今回のCriteoの調査で、日本におけるPC経由の購入のうち23%が、購入前にモバイルで閲覧、検討されていることが明らかになりました。購入前に別のPCで閲覧・検討したケースが10%あるので、PC取引のうち計33%の取引が、別のデバイスでの閲覧・検討後に行われたことになります。
これは、複数のデバイスをまたいでデータを統合すれば、ユーザが閲覧・検討から購入に至るプロセスを把握できることを意味します。
つまり、オムニチャネル化が進む今の時代、消費者の購入意欲はデバイス単位で計測するのではなく、複数のデバイスのデータを統合してユーザ単位で計測したほうが賢明だということです。実際、日本ではデバイス単位ではなくユーザ単位のマッチングによる平均購入金額は、全体平均で20%も増えています。
■オフラインのデータがオンラインでの売り上げUPを促進
データの活用法としてもう1つ注目すべきは、ユーザのオフラインの行動データとオンラインの行動データの統合です。
今回のCriteoの調査では、オフラインとオンラインのデータを統合できる小売業者は、そうでない業者に比べて、データを4倍以上効果的に活用でき、マーケティング活動を最適化できることが明らかになりました。
■全体の7%に過ぎないオムニチャネル消費者が、売り上げ全体の27%を生み出す
また、実際にオフラインとオンラインの売上データを結合して活用している小売業者に、顧客の属性をきいたところ、彼らの顧客のうちオフラインのみの消費者は全体の49%、オンラインのみの消費者は44%、両方を使っているオムニチャネルの消費者は7%に過ぎませんでした。
ところが売り上げの割合を見てみると、オフラインのみの消費者による売り上げが49%、オンラインのみの消費者による売り上げが24%だったのに対し、オムニチャネルの消費者の売上は全体の27%にのぼりました。つまり、わずか7%のオムニチャネルの消費者が、全体の27%もの売り上げを生み出しているのです。今や小売業者に最も高い生涯価値をもたらすのは、オムニチャネルの消費者となりつつあります。
今回の調査では、アプリがモバイル端末で高いコンバージョン率と売り上げをけん引していること、そしてオムニチャネルの消費者が最も高い生涯価値を生んでいることが明らかになりました。マーケターの皆さんは、これらのトレンドを上手く活用してマーケティング活動を最適化すれば、消費者と効果的に結びつくことができ、結果として売り上げの最大化を図ることができるでしょう。
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