ネット広告の歴史を振り返るシリーズ、最終回はアドテクの発展とリターゲティングをキーワードに、ダイナミックリターゲティングが誕生に至った背景をみていきましょう。
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ディスプレイ広告とアドテクの融合
テクノロジーの進化が加速した2010年代、広告主が市場であるRTB(Real-Time Biddingリアルタイム入札)において、オーディエンスターゲティングを取引するための仕組み・DSP(Demand Side Platform)、媒体側の仕組みとしてSSP(Supply Side Platform)、さらにユーザの行動や属性データといったオーディエンスデータを管理するDMP(Data Management Platform)など、アドテク中心の新たなビジネスが勃興、多くのベンチャー企業が登場しました。
こういったビジネス環境の変化がもたらした最大のターニングポイントは、従来、主に純広告で使用されていたディスプレイ広告がアドテクと融合し、オーディエンスターゲティングを活用することによって、高付加価値の商品として生まれ変わったことです。そう、アドテクを活用することによって、ディスプレイ広告は、枠売りや機関売りの商品ではなく、リスティング広告同様「運用する」ことが必要な商品になったのです。高付加価値を得たディスプレイ広告によって、広告主はより多くのユーザを自社サイトに訪問させることができるようになりました。
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離脱したユーザをどう呼び戻すか?
しかし、ここにきて新たな課題が浮き上がってきました。それは、せっかく自社サイトを訪問するユーザが増えても、それが必ずしも売り上げUPに繋がらないということでした。皆さんも、ネットで買い物をする際のことを思い浮かべてみてください。サイトを1度訪れて、すぐに購入に至ることはめったにないのではないでしょうか?一般的には、サイトを訪問した100人のうち、購入まで至るのは2~3%に過ぎないと言われています(業種により異なる)。つまり、100人中90人以上の人は、訪問するだけで、何も購入しないままにサイトから離脱してしまうということです。
この「離脱した客」にターゲットを絞って誕生したのが、リターゲティング広告です。リターゲティング広告とは、ご存知のとおり、広告主のWebサイトを訪問したことがあるユーザの行動を追跡し、他サイトの広告枠上で同じ広告主の広告を表示させる手法のことです。
そして、リターゲティングの効果をさらに高めるために、サイト訪問者に対して単にバナー広告を掲載して再訪問を促すだけでなく、離脱したユーザがどんな商品を閲覧したかという情報を付加した上でリターゲティングを行う「ダイナミックリターゲティング」の潮流が生まれたのです。ダイナミックリターゲティングは、単に離脱ユーザをサイトに戻すだけでなく、膨大なビッグデータを解析することによってユーザが閲覧してはいないけれども興味関心があると予想できる商品をバナー上に表示し、そのページに誘導することも可能にしました。
今やダイナミックリターゲティングは、広告主によってはリスティング広告と双璧をなすまでの重要なインターネットマーケティング施策として広く用いられるようになっています。
早くからダイナミックリターゲティングの開発に取り組んできたCriteoは、ダイナミックリターゲティング領域において、平均13%のROAS(費用対効果)を達成するなど圧倒的な実績を上げ、世界中のトップPublisherからの支持を獲得しています。進化を続けるCriteoのダイナミックリターゲティングを皆様もぜひご活用ください。