FacebookとInstagramがソーシャルメディア界のルールを牽引するリーダーであることについては、もはや議論の余地がないはずです。事実、Facebookの月間ユーザは20億人を超え、また8億人のアクティブユーザを有するInstagramもFacebookグループの傘下企業です。さらに、米国全土におけるスマートフォンユーザの総使用時間のうち、5分の1がFacebookあるいはInstagramに費やされているという報告もあります。
しかし、ユーザがこれだけ多くの時間をSNSに費やしていても、彼らの注目を一手に集めることは容易なことではありません。なぜなら、彼らがFacebookを利用する目的のほとんどは、広告を見ることではなく、友人の近況を知りたいからです。では、どうすれば広告に注目してもらうことができるのでしょうか?答えは、ソーシャルメディアを利用したリターゲティングです。これを活用すれば、かつて自社のサイトを訪問したことのある買い物客と再びエンゲージすることができます。
もっとも、SNSでユーザに商品広告を提示したとしても、彼らがそれらの商品に興味や関心を持たなければ意味がありません。そのため、SNSを使ったターゲティングでは、ユーザに合わせてパーソナライズされた広告のみを表示させるようにしています。
ここでは、その仕組みについて見ていくことにしましょう。
ソーシャルメディアを使ったリターゲティングの仕組み
買い物客の多くは、自社のサイトを離れた後もさまざまなサイトを訪問して商品を閲覧しています。ソーシャルリターゲティングでは、彼らのように自社の商品に興味を持っている可能性のあるユーザにリーチし、自社のサイトに呼び戻して商品の購入を促す仕組みです。
つまり、マーケターはFacebookやInstagram上で、さまざまな広告フォーマットを使って消費者をリターゲティングすることができるということです。そこで、ぜひ活用したいのが、リターゲティングパートナーです。リターゲティングパートナーを使えば、自社のサイトを訪問し、商品を閲覧したり、あるいはカートに投入・購入したりしたユーザのアクションを追跡することができます。
リターゲティングパートナーは、サイトを離れた買い物客が他のサイトやFacebook、InstagramなどのSNSプラットフォームを訪問していることをcookieによって検知し、以前のエンゲージメントや購買意欲に基づいてパーソナライズされた広告を彼らに表示する仕組みです。
さらにリターゲティングパートナーは、買い物客がサイトでさまざまなアクションを行えば行うほど情報の精度を向上させ、適切なユーザに、適切なタイミングで、適切なデバイス上に広告を表示できるようになります。
では、この仕組みを使った具体的な事例をご紹介しましょう。
- たとえば、ジェニファーがあなたのウェブサイトを閲覧しているとします。まずキーワード検索→商品ページ閲覧→カートへの移動…と、段階を経るごとに、購買意欲に関する彼女独自のデータが各レベルで収集されていきます。
- ジェニファーはひと通りの商品を閲覧しましたが、他の用事を思い出したため、あなたのサイトを離れてFacebookやInstagramを見始めてしまいました。しかし、彼女が次に使用するデバイスがデスクトップであるかモバイルであるかを問わず、ここでもリターゲティングのプロセスは途切れることなく続いています。
- ジェニファーの購買意欲が算出され、それに基づいたおすすめ商品の選定や広告デザインの最適化などはすべてリアルタイムで行われます。
- こうして彼女に提示される広告には、すでに閲覧した商品に加え、在庫や価格の条件にあわせて選定された、まだ閲覧したことのない商品も表示されます。
- そして広告をクリックすると、サイトやアプリのページにディープリンクされ、購入の完結を促す仕組みになっています。
FacebookとInstagram向けCriteoダイナミックリターゲティング
適切なリターゲティングパートナーを選定して、統合されたクロスチャネルのエクスペリエンスを買い物客に提供すれば、サイロ化されたリターゲティングアプローチでは実現し得ない高いコンバージョン率を達成することができます。
クロスチャネルを直接統合できるCriteoを活用すれば、ディスプレイ広告やSNSのリターゲティングキャンペーン全体でフィードを同期することができます。その上、追加のコストは一切発生しません。
FacebookとInstagram向けCriteoダイナミックリターゲティングは、FacebookやInstagramを利用する買い物客のショッピングジャーニー中に彼らのリアルタイムな購買意欲を詳細に把握することによって、モバイル、アプリ、デスクトップなど、あらゆるデバイスを横断して卓越したパフォーマンスを提供します。
- パーソナライズされた商品レコメンド機能を駆使し、買い物客の現在の興味・関心、嗜好にもとづいて選定された、これまで閲覧したことのない新たな商品との出会いを促します
- 広告イメージにダイナミックでパーソナライズされたテキストやグラフィックを追加する「アクティブ要素」機能によって広告を際立たせ、エンゲージメントを20%増加させます
- 正確な入札機能、および商品を購入する可能性が高い買い物客のみを対象とした広告提示によって、FacebookやInstagramのキャンペーンにおけるROIの向上を促します。
現在、FacebookやInstagramでCriteoダイナミックリターゲティングを活用しているCriteoのクライアントは、リターゲティングキャンペーン全体で12%の売上増加を実現しています。
ダイナミックにパーソナライズされたクリエイティブを利用するSNSでのリターゲティングキャンペーンは、販売促進のみならず、ブランドロイヤルティ向上にも大きく貢献します。以下では、Criteoダイナミックリターゲティングを活用してFacebookやInstagram上でマーケティングキャンペーンを行っている企業の事例を3つご紹介します。
サクセスストーリー
La Redoute
フランスのファッション・生活雑貨の小売を手掛けるLa Redouteは、すでに同社が行っていたCriteoダイナミックリターゲティングキャンペーンを、Facebookダイナミックプロダクト広告にも活用することを決定しました。Criteoのダイナミックリターゲティングは数千ものパブリッシャーと複数のデバイスを横断して、ショッピングジャーニー全体を通じて各買い物客の購買意欲を評価します。その後、Criteoエンジンがパーソナライズされた最適なオファーを予測・生成し、それらをFacebook上で提示することによって買い物客のコンバージョンの最大化を図ります。これらはすべてリアルタイムに行われます。
Criteoダイナミックリターゲティングを使用した既存のキャンペーンと、Facebookダイナミック広告を組み合わせたことにより、La Redouteは顧客化率を10%向上するとともに、コンバージョン率を3倍に高めることに成功しました。
Vedia
スイスでトップ30に入る実績を誇るオンライン小売業者のVediaは、2014年以来、Criteoとのパートナーシップを通じて、高度にパーソナライズされたメッセージを武器に顧客へのアプローチを続けてきました。Vediaは今回、現状のマーケティング予算を維持したまま新たなチャネルで売上をさらに増加させるために、CriteoのFacebook ダイナミックプロダクト広告の導入を決定しました。
Facebookダイナミックプロダクト広告キャンペーンの強化には、Criteoダイナミックリターゲティングが用いられ、プログラマティックテクノロジーでFacebook上の新規の買い物客にリーチ。結果としてキャンペーン全体の売上を15%増加させることに成功しました。
また、同社は1万6,000ものダイレクトパブリッシャーを擁するCriteoの大規模ネットワークを活用して、Facebookの広告インベントリと買い物客のショッピングジャーニーを評価し、キャンペーンのCPOを約20%、COSを7%低減することにも成功しています。
Soft Surroundings
女性向け商品の小売業者であるSoft Surroundingsは、売上の停滞と既存のパフォーマンスマーケティングキャンペーンの行き詰まりに直面していました。この状況を打開するために、同社はCriteoとパートナーシップを締結。オンライン売上全体の向上に向けて、ディスプレイ広告とSNSを使ったリターゲティングキャンペーンの拡大を決断しました。
Soft Surroundingsは、Facebook上のホリデーシーズンのキャンペーンを含め、Criteoダイナミックリターゲティングを使ったキャンペーンを組み合わせることにより、キャンペーンの完全な最適化に成功しました。
Criteoは効果の最大化を目指して日々の入札を管理し、Soft Surroundingsのチャネルミックスを大幅に拡大。トラフィックを増加させて、SNS上でポジティブなインタラクションを生み出しました。その結果、2015年の第4四半期には、Facebookダイナミックプロダクト広告によってポストクリックセールスを20%、サイトへのトラフィックを210%、そしてオンライン売上を775%増加することに成功しました。
ソーシャルリターゲティングとリーチ
FacebookとInstagramの月間のアクティブユーザ数の合計は30億人にも上ります。自社のリターゲティングキャンペーンをこれらのSNSプラットフォームを使ったマーケティング戦略に統合できれば、大きなメリットを享受することができるでしょう。SNSプラットフォームそのものがパワフルなマーケティングツールとしての機能を果たすので、マーケターは潜在顧客へのリーチの最大化を図ることができるのです。
SNSプラットフォームを戦略的に活用できれば、販売を大きく促進でき、自社サイトを離れてしまった買い物客と効果的にリエンゲージすることができるはずです。