オンライン動画広告ガイド:動画を使って業績を上げるためのヒント

更新日 2022年05月19日

ほんの数年前まで、デジタル動画は「あったらいいな」と思う程度のもので、動画視聴のほとんどは従来のリニアテレビで行われていました。しかし今や、デジタル動画は人々の日常生活の一部になっています。人々は携帯電話をはじめ、ノートPC、タブレット、さらに スマートテレビやストリーミングデバイスで週に何時間も動画コンテンツを視聴しており、これが世界中のマーケターの関心を集めています。

Limelightの「State of Online Video 2020」レポートによると、1週間あたりの動画コンテンツ消費の平均は、2016年から2020年にかけて85%も増加しています。そして2020年は週に8時間近くオンライン動画を視聴していました。1

このように増え続ける動画視聴のトレンドを背景に、マーケターは消費者が多くの時間を費やしている場所で彼らにリーチすべく、動画広告キャンペーンへの投資を拡大しています。

Criteoはこのほど、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オーストラリア、日本、韓国、インドを含め、世界の1,000人以上のマーケティング担当上級責任者を対象に調査を実施しました。その結果、彼らの半数が2020年にデジタルマーケティング予算の20%以上を有料動画広告に投下していることが明らかになりました。また、彼らの3分の1以上(34%)が、2021年に有料動画広告の予算が増えるだろうと回答しています。2

オンライン動画(OLV)広告は、広範囲を対象としたブランディングキャンペーンに利用される魅力的な広告フォーマットですが、新機能やフルファネル対応の測定機能を持つパフォーマンスソリューションとしても受け入れられつつあります。「デジタル疲れ」によって消費者が集中力を持続できる時間がさらに短くなる中で、動画広告はすべてのチャネルとデバイスで消費者の関心を喚起し、彼らの背中を押して購入へと導くことができます。

このガイドでは、効果的なオンライン動画広告戦略を構築する際に必要となる5つのルールと、ショッピングジャーニーの各段階に適した動画広告の例を紹介しています。

オンライン動画広告キャンペーンの5つのルール  

マーケターにはROIの証明や売上・収益の拡大など、さらなる業績の向上が求められており、効果的な広告キャンペーンの構築がかつてないほど重要になっています。

オンライン動画広告についても同様です。動画広告キャンペーンを適切に実施・測定しさえすれば、これらのビジネス成果の実現を促すことができます。

そこで、御社のビジネスゴールの達成をサポートする、強力なオンライン動画広告戦略策定に役立つ5つのルールをご紹介します。

ルール1:コマースメディア戦略を策定する

コマースメディアコマースデータとインテリジェンスを融合したデジタル広告の新たなアプローチであり、消費者のショッピングジャーニー全体で彼らを的確にターゲティングすることによって、マーケターやメディアオーナーがコマースの成果(売上、収益、リード獲得)を加速できるようサポートします。

動画を活用したコマースメディア戦略を構築するためには、マーケティング担当者や代理店は、新規顧客を発見し、初回購入に誘導するための動画広告キャンペーンを実施する必要があります。

  1. 認知
  2. 検討
  3. コンバージョン

同時に、既存顧客による新しい商品・サービスとの出会いやリピート購入、さらにはロイヤルカスタマーへの転換を促すキャンペーンを展開します。

  1. 検討
  2. コンバージョン
  3. ロイヤルティ

これらのキャンペーンはすべて同じテクノロジーパートナーを通じて同時に実施し、ショッピングジャーニー中のオーディエンスを次の段階へと誘導することが理想的です。そうすれば、マーケターは最初の動画視聴からクリック、コンバージョンに至るまで、視聴者を追跡することもできるようになります。

ショッピングジャーニーがますますデジタル化され、ショッピングとその他のデジタルアクティビティの境界線が曖昧になるにつれ、オーディエンスが新しいブランドを発見してからコンバージョン至るまでの時間が短くなっています。セールスファネルの各段階でオンライン動画キャンペーンを活発に展開すれば、すべてのタッチポイントで御社に対する消費者の印象が深まり、迅速な意思決定を促せるようになるはずです。

ルール2:オーディエンスを中心に据える

動画広告キャンペーン構築の最初のステップは、目的に適したオーディエンスの選定です。その後、チャネルやデバイス、広告フォーマットを検討します。

キャンペーンによってエンゲージするオーディエンスが異なるため、ショッピングジャーニーのどの段階を対象にするかによって設定するKPIも変わってきます。たとえば、アウェアネスキャンペーンではより多くのユーザーにリーチすることが目的ではあるものの、利用可能なデータを使って御社の商品・サービスを購入する可能性が最も高いユーザーにオーディエンスを絞り込むことも重要です。

認知、検討、コンバージョン、顧客ロイヤルティの向上など、各キャンペーンゴールに適したオーディエンス、クリエイティブ、KPIの一覧をこちらからご確認いただけます。

ファーストパーティデータを活用してオーディエンスを構築するだけでなく、行動や購入意欲を示すコマースデータを追加してデータを強化し、あらゆる角度から消費者を把握できるようにしてくれる広告パートナーを探しましょう。

ルール3:チャネル、デバイス、フォーマットに捉われない

キャンペーンのオーディエンスを構築したら、オーディエンスが時間を過ごし、広告を視聴・エンゲージする可能性が高い場所を考慮した上でチャネル、デバイス、広告フォーマットを決定します。

動画を視聴する方法は人によって異なるので、場所や時間を問わずに消費者にリーチできるようにすることが大切です。

特定のチャネル(コネクテッドTVなど)や、特定の広告フォーマット(インストリーム、アウトストリームなど)ではなく、プレミアムパブリッシャーや動画ストリーミングサービスとの直接的な関係を通じた幅広いインベントリに加え、インストリームやアウトストリーム、インタースティシャルのすべての広告フォーマットにアクセスできる動画広告ソリューションを見つけましょう。

ルール4:動画クリエイティブを拡張する

マーケターがオンライン動画広告キャンペーンの実施を躊躇する理由の1つに、動画クリエイティブの制作コストがあります。しかし、コマースメディア戦略と適切な広告パートナーがいれば、マーケターは1つの動画を使って、カスタマージャーニー全体に使える広告を構築することができます。

ショッピングジャーニーの初期段階では、ストリーミングデバイスや OTT(オーバーザトップ)サービス、デスクトップ、モバイルウェブ、アプリ内でのブランド認知の向上用に30秒の動画クリエイティブと、15秒の短縮バージョンを用意するだけで十分です。

そしてブランド認知以降の段階については、御社の動画広告パートナーが下位ファネルの目的(検討、コンバージョン、リピート購入など)に応じた動画クリップとディスプレイ広告の要素を組み合わせるクリエイティブフォーマットを提供できるかどうかを確認してください。

ルール5:オンライン動画広告キャンペーン全体を測定する

各キャンペーンには独自のKPIがありますが、キャンペーンがどのように顧客をファネル下部へと誘導し、御社の売上や収益、ROIなどのビジネス成果に影響を与えたかを追跡・測定することが大切です。

広告パートナーから提供されるレポートには、オーディエンスによる最初の動画視聴から購入完結に至るまでのフローが記載されているべきであり、これをもとにすれば、広告費と売り上げを直接結びつけることができます。

たとえば、新規顧客がOTTデバイスで配信している番組を視聴している時に、御社の動画広告を見たとします。その顧客が御社の検討段階のキャンペーンのオーディエンスの1人に加わり、コンバージョン段階向けの広告を見て購入に至った場合、そのOTT向けキャンペーンが購入のきっかけになったことが分かります。

ショッピングジャーニーの中で配信するCriteoの動画広告の例

消費者のショッピングジャーニーで配信される動画広告の例をいくつかご紹介します。

認知度向上

Connected TV awareness ad in a streaming platform.

CTV(コネクテッドTV)とOTT広告違いについてはこちら)は、スキップできないフルスクリーンのインストリーム動画広告で、30秒または15秒のブランディングCMを表示します。通常、これらの広告は消費者が観たい番組の前(プレロール)や途中(ミッドロール)に表示されるため、高いビューアビリティ率が得られます。

CTVやOTT環境以外のオンライン動画広告 には、ウェブ、モバイルウェブ、モバイルアプリ内で配信されるインストリーム広告(動画コンテンツ内)とアウトストリーム広告(動画プレイヤー外)があります。これらの広告はスキップ可能であることが多いものの、魅力的なフォーマットでブランディングキャンペーンや、人気商品、特定の商品カテゴリーを際立たせることができます。

検討 

Fashion video display ad with search bar.

検討段階向けの動画広告では、動画と商品を効果的に組み合わせ、消費者がブランドについての理解を深められるようにサポートします。これらのリッチメディアには、スクロール機能、検索フィールド、メール登録などのインタラクティブな機能を含めることができます。

検討段階向けの広告フォーマットは、認知段階向けの動画広告をすでに視聴したユーザーに一貫性のあるメッセージを届け、彼らの興味・関心を引き付けると同時に、御社の既存顧客に一層幅広い範囲の商品・サービスとの出会いを促すことができます。

コンバージョン

Video and dynamic product recommendation ad for a clothing brand.

コンバージョン段階向けの動画ディスプレイ広告 は、動画アセットを用いたダイナミックな商品レコメンドで、動画コンテンツのリーチを最大化すると同時に新規顧客の獲得と販売を促進します。これらの広告は、御社のウェブサイトを最近閲覧した新規・既存いずれの顧客にも配信されます。

オンライン動画広告は、マーケターが将来への備えとして今年投資すべきソリューションの1つです。未来に備えるのに役立つインサイトや戦略を、Criteoのショッパーストーリー2022をダウンロードしてご確認ください。

1Limelightの「State of Online Video 2020」、世界、回答者数:5,000人、オンライン動画コンテンツを週に1時間以上視聴した消費者による回答。

2Criteoのアンケート「COVID-19がもたらしたマーケテイングへの影響」、世界、2020年10月、回答者数:1,039人