いよいよ今週開会式を迎える東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会。そんな中、NTTドコモ、インテル、NTTはオリンピック・パラリンピック期間中、セーリング、ゴルフ、水泳の3競技の会場で、「TOKYO 2020 5G PROJECT」を展開、最新の5G通信技術とAR(拡張現実)、多地点映像のライブストリーミングなどを活用し、これまでにない「新たなスポーツ観戦体験」を提供することを発表しました。
1)セーリング~5G x Kirari!による新観戦体験
コロナ禍を考慮し、通信サービスを活用した新しいスポーツ観戦のかたちを提案し、レガシーとすることが新たなミッションとなった今回のオリンピック。NTT研究上では、このミッションの実現を目指し観戦者が競技会場から離れた場所にいても、あたかも競技場にいるかのような観戦体験を実現する超高臨場感通信技術「Kirari!」の研究開発を推進してきました。
今大会ではkirariと最新の5G通信技術を組み合わせて、セーリング競技の新観戦体験を提供します。
セーリングは洋上にある各マークをめざして、順位を争う競技。選手たちは限られた時間でコースを見極め、動力源となる風をつかみ、最速でマークを回るための戦略を立てて試合に挑みます。しかし、競技は沖合で行われるため、陸上から肉眼で見て楽しむことは困難なため、これまでは双眼鏡で観戦するのが一般的でした。そこでNTTでは複数台の4Kカメラを搭載したボートやドローンからの撮影映像を、4K映像を3つ並べた横12K解像度の超ワイド映像としてリアルタイムに合成し、セーリング競技観戦場所前の洋上に浮かべた長さ50mの洋上ワイドビジョンにライブ伝送。また、競技会場(江の島)から離れた、東京ビックサイト(メインプレスセンター)へも同様の映像を伝送、国内での移動など行動制限を課せられているメディア関係者へ現地に近い臨場感と一体感を届けることになっています。
これらの実現には、複数台の4Kカメラをボートやドローンに搭載し安定的に撮影・伝送するための無線通信技術、高速大容量かつ低遅延な通信を実現する5G、Kirari!の「超ワイド映像合成技術」と「高臨場メディア同期技術Advanced MMT」など、さまざまな最先端通信技術が活用される予定です。
2)水泳~ARデバイスで会場の興奮を五感で
水泳競技では、会場の観戦者が装着するARデバイスに、目の前で行われている競技と選手紹介や競技データなどを重ね合わせて表示し、会場の興奮を五感で感じつつ、競技の詳細情報を確認できる感染スタイルを提供します。
3)ゴルフ~手元の端末で好きな映像を選んで観戦
ゴルフでは、複数の競技中の映像や選手のスコアなどのデータを5Gで観戦者の持つスマートフォンなどの端末に伝送。観戦者が自由に見たい映像を選んで観賞できるサービスを提供予定。会場内にいて、かつ対応する端末を持っていれば、メディアや関係者だけでなく一般の観戦客でも利用可能となる見込みです。
今回は3競技のみでのサービス提供となりますが、優れた5Gの通信技術を使うことによって観客を競技会場から離れた複数の会場に分散させて、かつ、臨場感を失わずに観戦させることが可能になることが実証できれば、「新しい生活様式」が求められる時代にふさわしいスポーツ観戦の新たな形として、注目を集めそうです。
また、世界中が注目するオリンピック・パラリンピックは、新しい技術を世界にアピールするのに最適なチャンスです。契約者数が400万人をこえ本格的な普及期に入った5G。今大会で5Gの魅力を技術を世界中の人たちに知ってもらうことができれば、5G普及のさらなる加速が期待できそうです。
出典:NTTニュースリリース