Criteoでは去る10月15日、トレンド評論家の牛窪 恵さんをゲストに迎え、Criteoウェビナー第4弾「国内外のベストプラクティスから紐解く2021年の年末商戦の勝ちパターンを予測」を開催しました。今回のブログではその概要をかいつまんでご紹介します。
不動産市場に変化の兆候
ウェビナーでは、まずCriteoでChief Industry Strategistの中村祐介がCriteo独自のデータ分析をもとに2020年~2021年にかけての主な出来事とコマーストレンドを振り返りました。
このうち、不動産市場で比較的大きな動きがみられました。コロナ禍での生活様式の変化などにより、2020年初頭から需要が増加する一方、供給は減少傾向に。しかし、2021年に入ると逆に需要がやや減少傾向となり、売却物件や投資用物件の供給が増加し続けており、これから価格が下落する可能性も出てきています。
また、コロナ禍の影響を大きく受けた旅行業界については、緊急事態宣言が発令されるたびに需要が低下、GO TOキャンペーンの効果は限定的であり、業界の苦境は続いています。しかし、2021年10月1日に緊急事態宣言が解除以降はチケットや旅行商品の予約数が急増しており、このままコロナ感染者数減少が続けば、旅行需要は順調に回復していくものとみられています。
どうなる?2021年の年末商戦
続いて中村は、リテール市場の本格的な回復は独身の日(11月11日)とブラックフライデー(11月26日)のある11月以降になるとの予測を紹介、今回のウェビナーのメイントピックである2021年の年末商戦への対応について、次のようなポイントを指摘しました。
購入までにかかる日数は34日。年末商戦の準備は早めに
2020年のブラックフライデーおけるユーザー行動のデータを分析したところ、顧客が小売業者のウェブサイトで商品を購入するのは、その商品を最初に見てから平均34日後、一部では最初に商品を見てから購入までに約9週間もかかるグループがあることも判明。年末商戦で成果を上げるには、早めの準備が不可欠です。
11月の購入者にリターゲティングで再購入を促す
2020年11月に年末商戦キャンペーンを開始した某大手ネット通販会社では、11月の購入者のうち27%が12月に再購入していたことがわかりました。購入者の割合を見てみると、11月の購入者のうち直購入した人は全体の70.4%、BOFU経由で購入した人は29.6%でした。一方、12月の再購入者の場合は、直購入が全体の42.9%、BOFU経由が57.6%と、11月に比べBOFU経由の購入者が大きく伸びており、11月の購入者に対するリターゲティング広告配信がリピート購入に有効であることを如実に表す結果となりました。
複数のデータフィードを設定し、複数の購買行動に対応
年末商戦はもちろん今後のEコマース市場で勝ち抜くには、オムニショッパーへの対応強化も欠かせません。というのも、オムニショッパーは実店舗だけ、もしくはECだけで買い物をする人に比べて購買意欲が高いからです。アメリカで行われた調査でも、店頭のみの買い物客の平均トランザクション数が2.2回であるのに対し、オムニショッパーは3.3回であることが明らかになっています。
購買意欲の高いオムニショッパーをひきつけ、年末商戦を成功に導くために、①オフラインの購買データ、②ストアディレクトリ、③ローカル在庫のデータフィードを有効にしてオムニチャネルのインフラを整えましょう。そして、次のようなキャンペーンを展開して、あらゆるショッピングシーンに対応した戦略をシームレスに展開しましょう。
- 店舗でのキャンペーン(店舗での販売を促進)
- クリック&コレクトキャンペーン(オンラインで購入、店舗やカーブサイドでのピックアップを促進)
- Store-To-Webキャンペーン(過去の実店舗利用者のオンライン販売を促進)
中村のプレゼンテーションに続き、今回のウェビナーの特別ゲストであるトレンド評論家の牛窪 恵さんとのセッションがスタート。「緊急宣言解除後、消費活動はどうかわる?」「共創マーケティングの実践事例は?」などの問いに対して、プロの視点からわかりやすい解説をしていただきました。
Criteoでは今後もタイムリーかつ実践的なテーマを取り上げたウェビナーを開催し、皆様のマーケティング活動に役立つ情報の共有に努めてまいります。次回開催をお楽しみに!