動画リターゲティング:その仕組みと重要性

更新日 2021年01月13日

デジタルマーケティングにおけるリターゲティング戦略の中でも、動画リターゲティングはもはや無視できないほど重要な役割を果たすようになっています。実際、買い物客のオンライン滞在時間のうち、3分の1もの時間が動画の視聴に費やされています。使用するデバイスを問わず、動画コンテンツの消費は増加の一途を辿り、コンテンツ数も前年比で40%もの増加を記録するほどです。また、シスコシステムズのレポートでは、2年以内にインターネットのトラフィックの80%は動画関連のコンテンツが占めることになるだろうと予測されています。

動画消費が増えているという事実に加え、動画はエンゲージメントの構築において極めて有効な広告手法でもあります。マーケターは、動画リターゲティングが顧客とリエンゲージするための重要な手段であることを、改めて認識する必要があります。

リターゲティングの絶好の機会

コンバージョンとエンゲージメントを加速させるためには、買い物客のオンライン行動を想定し、あらゆる場所、つまりスマートフォンやタブレット、デスクトップといったデバイスの種類を問わず、どこからでも彼らにリーチできる体制を整えておくことが非常に重要です。そうすることにより、加速する動画消費の波に乗り、動画コンテンツをより効果的に活用することができるでしょう。動画の魅力のの1つは、ユーザの関心や注意を惹きつけやすい点にあります。動画を使って視聴者とエンゲージし、さらにその動画の内容が彼らにパーソナライズされたものであれば、商品の購入やブランドの認知度、クロスチャネルでのタッチポイントに大きな効果をもたらすことができます。

ユーザへの影響

オーディエンスはすぐそこにいます。しかし、どうすれば最も効果的な方法で、彼らのような潜在顧客にリーチして、関連性の高いオファーを届けることができるのでしょうか?

動画リターゲティングの仕組み

動画リターゲティングの基本的な考え方は従来のリターゲティングと同じです。動画リターゲティングの場合は、静的な広告やダイナミックバナーを表示するかわりに、動画コンテンツの開始前に動画広告を表示することになります。

たとえば、ベンがあなたのサイトを訪れ、色々な商品を閲覧しているとします。ベンの購買意欲に関するデータは、トラッキングピクセルを使用して各イベントレベルで蓄積されていきます。その後、ベンはあなたのサイトでの閲覧を終えて、別のウェブサイトへ移動します。しかし、彼がその後も他のサイトを見たり、他のアプリを立ち上げたりしたとしても、動画リターゲティングのプロセスは途切れることなく進行しています。

これらのプロセスの過程ではベンの購買意欲が計算され、また広告インプレッションに関する取引やおすすめ商品の選定、広告デザインの最適化などがすべてリアルタイムで実行されます。そしてベンが視聴することになる動画広告は、インストリームまたはアウトストリーム広告、あるいはアプリ内のいずれかで表示されます。

インストリーム広告の場合、動画広告はユーザが視聴するストリーム動画コンテンツの前/途中/最後に流れ、これらは再生される環境によってライブおよびダウンロード可能なストリーミングコンテンツとして表示されます。

一方、アウトストリーム広告の場合、動画広告はソーシャルメディアのフィードやゲーム、テキストベースの記事などの非動画環境で再生されます。

また、アプリ内動画の場合には、買い物客がアプリを使用している際のページ切替中、あるいはlightboxのポップアップに再生されます。

これらの動画広告には、ベンがすでに興味を持っている商品のほか、ベンが興味を持ちそうだけれどもまだ出会っていない商品も表示されます。例えば、ベンが旅行の予約サイトを閲覧していたのであれば、動画広告にはベンの日程や希望の価格帯に合わせて、まだ閲覧していない商品も併せて表示されます

そして、ベンが広告をクリックすると、自社のアプリまたはウェブサイトのページにディープリンクして、彼に予約の完了を促すのです。

Criteoダイナミックリターゲティングを使った動画広告

動画を使ったターゲティングはすでに広く普及してはいるものの、この巨大なオーディエンスに対して、エンゲージメント効果の高い動画フォーマットを使って、パーソナライズされた関連性の高い商品レコメンドを提示できるリターゲティング手法は存在しませんでした。

Criteoの新たなテクノロジーであるInteractive Videoは、多くのユーザから高評価を得ているCriteoダイナミックリターゲティングに動画広告を組み合わせたものです。Interactive Videoを活用すれば、パーソナライズされた動画リターゲティング機能によって、関連性の高い商品をダイナミックな動画広告の中で紹介することができ、結果として視聴者のブランドロイヤルティ向上、コンバージョン促進に成功することができます

動画広告の世界に革命をもたらしたCriteoのInteractive Videoによる動画広告は、オンデマンドに生成され、インストリーム、アウトストリーム、あるいはアプリ内で再生することができます。そして買い物客のショッピングジャーニーがどのようなものであれ、Criteoのショッパーグラフがシームレスなエクスペリエンスの提供をサポートします。

Interactive Videoは、買い物客1人ひとりの好みやショッピング傾向に基づいてターゲティングを行い、各インプレッションごとに20秒の動画広告をダイナミックに生成します。これらの動画にはブランドをアピールするイントロやアウトロ、BGMのほか、自社の商品カタログからリアルタイムに選定される商品レコメンドが含まれます。これらをすべてリアルタイムかつ大規模に行えるのはCriteoだけです。

ここからは、Criteoのテクノロジーをさらに詳しく見ていきましょう。

1.購入意思を的確に把握

Criteoのアイデンティティグラフが、デバイス、ブラウザ、さらに55万ものアプリを横断して、買い物客の閲覧行動をあらゆる角度からリアルタイムに把握します。つまり、あらゆるモバイル環境で広告を提示してユーザをアプリに呼び戻し、彼らに購入の完結を促すことができるのです。Criteoは独自の手法によって、2つ以上のデバイスにまたがって移動するユーザを匿名で識別することに成功しており、これらのユーザからの全体の実に40%以上の売り上げを獲得しています。

2.ユーザの興味・関心をより強力に喚起する商品レコメンド

Criteoの動画広告では、複数の商品が1つの広告枠に表示され、各商品はそれぞれの商品詳細ページにリンクされています。かつて閲覧したことのある商品だけでなく、自社の商品カタログの中からまだ見たことのない新しい商品を提案できるため、関連性を最大限に高めた上でユーザの興味・関心を喚起することが可能です。実際、Criteoダイナミックリターゲティングでは、販売の28%以上が新しい商品を提案した結果によるものです。

3.卓越した広告パフォーマンス

Criteoダイナミックリターゲティングでは、Criteo独自の機械学習テクノロジーを駆使して開発したDynamic Creative Optimization+と、月間12億人のアクティブユーザから獲得したクロスデバイスのインサイトをもとに、ブランド性を重視した上でパーソナライズした動画広告をリアルタイムに生成することが可能です。さまざまなビジュアル要素をダイナミックに組み合わせ、広告サイズに合わせてシームレスに拡張できるレスポンシブな広告デザインを実現、買い物客との効果的なエンゲージメント構築をサポートします。

動画を使ったリターゲティングでブランドの認知度を向上

Criteoダイナミックリターゲティングを活用していたドイツのオンライン小売業者「BonPrix」は、売上のさらなる拡大とブランドアウェアネスの向上を図りたいと考えていました。そこで同社はInteractive Videoを導入、全く新しい広告インベントリのチャネルを介して買い物客をリターゲティングすることにしたのです。

結果、同社はダイナミックに生成されるCriteoの動画広告を駆使した斬新な手法によって、買い物客へのリーチに成功しました。ちなみに、同社には、Criteoの動画広告を採用したこと以外、何のコストや労力も発生していません。

世界のマーケティングプロフェッショナルの51%は、動画を最高のROI向上ツールと考えており、同時に52%はブランドアウェアネスの向上に有効な手段であるとしています。このことは、動画リターゲティングをマーケティング戦略に利用しないという選択肢は、もはやあり得ないことを意味しています。動画を自社広告キャンペーンの一部に取り入れれば、買い物客が欲しいと思っている商品や、今すぐ必要としている商品を紹介することができます。そしてその結果、彼らとのエンゲージメントをこれまで以上に高めることができるはずです。