■急成長を続けるアプリインストール広告市場
スマートフォンの普及を背景に、急成長を続けているモバイル広告市場。日本国内でもインターネット広告に占めるモバイル広告の割合は増え続け、電通グループの試算では2018年にモバイル広告市場は一兆円規模に達すると見込まれています。
そのモバイル広告の中でも、特に成長著しいのがアプリインストール広告、つまりアプリのインストールを促すために使われる広告の市場。アプリインストール広告を使って、新たな客層、より質の高い客層へのアプローチとコンバージョン率の向上を図る企業が増えているのです。2018年夏にはAppleが新しいアプリ広告「Search Ads」(App Storeの最上部に出てくる検索連動型広告)を日本でもリリースして話題を呼びました。もちろん、GoogleやYahoo!、Facebookやtwitterなどもアプリインストール広告に係るサービスを次々に打ち出しています。
■「Manage」買収。Criteoの狙いとは?
もちろん、Criteoでもモバイルアプリ市場への参入をすでに本格化させています。2018年11月には、プログラマティック・バイヤー(※)の草分け的存在で、成果重視型のアプリインストール広告で定評のあるManage社(本社:カリフォルニア州)を買収。Manageのモバイルアプリ・インストール・ソリューションを加えることで、Criteoの既存のアプリ内広告ソリューションを強化し、認知⇒検討⇒コンバージョンに至るすべての消費者行動に、より一層、きめ細やかに対応していく方針を明らかにしました。
Manageは、ゲームやフードデリバリー、ライドシェアリング(相乗り・配車)など、アプリ経由でのサービス提供を主軸とする分野での広告事業を得意としています。同社が広告主に提供するのは、データ主導のモバイルアプリ・マーケティング・ソリューション。このソリューションを使うと、広告主はモバイルやタブレット端末を横断して、ターゲット層に効率よくリーチできるため、顧客生涯価値の向上を図ることが可能になります。この点についてCriteoのCEOを務めるJB・リュデルは、「弊社のモバイル・マーケティング・ソリューションに、消費者との重要な接点を生み出すアプリインストール広告ソリューションが加わることによって、より費用対効果の高いサービスを提供することが可能になるだろう」と指摘しています。
また、同社を傘下に置いたことによって、Criteoでは、従来の主力分野である小売業界や旅行業界以外の業界に顧客基盤を広げることが可能になりました。今後は、アプリインストール広告におけるManageの高い技術力と事業基盤を即戦力として生かし、急成長を遂げるモバイルアプリ広告市場でも、事業拡大を拡大して参ります。
※プログラマティック・バイイング(programmatic buying)とは、インターネット広告において、データに基づくリアルタイムで行われる広告枠の自動買い付けのこと。プログラマティック・バイヤーとは、それを扱う業者を指す。